6つの力が身に付く「図解思考」って?:世の中「四角形と矢印」でできている(1/3 ページ)
わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしています。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」をお教えします。
人は物事を理解するときに映像にする「クセ」があります。例えば、小説を読んで情景を思い浮かべ、ニュースを読んで苦悩する経営者の顔を想像します。わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしているのです。
みなさんに学んでいただきたいのは、「インプットした情報を、瞬時に図解で整理し、メモとしてアウトプットする」というシンプルなスキルです。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」をお教えします。
あなたの個条書きメモは問題だらけ
左のメモを見て、あなたはどのようなことが理解できたでしょうか? 「そもそも読む気がしない……」、そう感じた人もいるでしょう。
ビジネスパーソンや学生に限らず打ち合わせや講義、セミナーなどの発表内容などをメモすることは大変重要なことです。しかし、実際にメモのとり方を観察していると、ほとんどの人は個条書きでメモをとっています。自分が聴いた内容のキーワードのみ、あるいは大事だと思ったキーフレーズを、淡々と記録しているだけです。みなさんはどうですか? 自分の記録したメモを取り出して、いま一度確認してみてください。自分が聴いたこと、理解したことがすぐに思い出せましたか?
個条書きメモは多くの問題を抱えています。すべて「文字」で書かれているために、一見してその内容や要素、関係性などをつかむのが容易ではありません。そのため、中身に含まれている問題点や解決策を発見しづらいという難点があります。さらに、記憶に定着しにくいという欠点もあるのです。
つまり、個条書きメモは、「記録している」という実感はあるとしても、「理解、記憶、伝達」というさまざまな側面で問題だらけなのです。そこで登場するのが、本書で紹介している「リアルタイムに図解でメモをとる」スキルなのです。
「個条書きメモ」の6つの問題点
- 言葉をすべて書かないといけない(時間がかかる)
- 話が飛ぶと収集がつかない(関係性や構造がつかめなくなる)
- 問題点がつかめない、矛盾に気づかない
- 覚えられない、記憶に残らない
- 一度書いたら、そのまま放置。展開しづらい
- 資料を作るときには、別途図式化しなければならない
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