そのインプット、本当に「インプット」になってますか?:あなたの不安、見積もります
テレビや新聞、ブログなどを読むのは「インプット」で、それをTwitterやブログに書くのは「アウトプット」。単純にそう思い込んでしまっていませんか?
ご自分のブログなどをお持ちの方で、ネタが続かない、というお悩みをお持ちの方は多いようです。
ビジネスパーソンの気になる疑問
佐々木さんは、Twitterやブログ、オンラインマガジンなどでも連載しているのに、発信する情報が尽きませんよね。情報のインプットについて、心がけていることはありますか?
特別心がけているというわけでもないのですが、わたしには「インターネット上の人格」というもののイメージができていて、その「自分」が何らかの形で関わらないと、「情報をインプットした」という気持ちになれなくなっています。
「佐々木正悟」にはおなじみのアバターがありますね。
これは、イラストレーターのふじたきりんさんに描いていただいたものなのですが、このアバターがTwitterでつぶやくなり、ブログに書くなりしないと、わたし自身、その情報を自分がインプットしたとは思えないのです。
だから、新聞を読んだり、テレビを見ることはほとんどしません。したとしてもそれらは、「情報入手」にはなりません。なぜなら、わたしがテレビを見ても、その内容をインターネット上のアバターである「わたし」が知らないからです。テレビで見た内容を自分なりに消化し、それをわたしのアバターがつぶやくことで、はじめて「情報のインプット」が完結するのです。
一般的に、「Twitterやブログに書くこと」は「アウトプット」と認識されていることが多いようですが、わたしにとってはアウトプットではなくインプット、情報発信ではなく情報入手に近いのです。アバターである「わたし」に記憶させているイメージと言えばいいでしょうか。つぶやいたり、ブログに書いた内容を再構成し、連載の記事や書籍という形で改めてまとめたとき、それがようやく「アウトプット」になるのです。
ただし唯一の例外は読書で、これは長時間1冊の本と関わりますから、ネット上の「人格」に記憶させなくても、リアルのわたしが情報を受け止めたという感覚が芽生えます。しかしそれでも、「アバター」に「読んだ本のことを語らせた」ほうが、よりインプットしたという感覚が強くなります。
念のために付け加えておきますが、このことにはテレビや新聞を否定する意図はまったくありません。ただ、わたしにとってそれらに関わった時間は「情報消費」であって「情報入手」ではないということです。
今週の「これを減らしてみる」
読む本の数。まず冊数を決めれば、自然と優先度も付けられるようになります。
筆者:佐々木正悟
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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