iPadで自炊データを快適に読むためのテクニック(困ったこと解決編):電子書籍「自炊」完全マニュアル(3/4 ページ)
本を裁断してスキャナで取り込んでデジタルデータ化する、いわゆる「自炊」。今回はデバイス別のTips紹介第2弾として、iPadのTipsをお届けする。「回転処理したはずなのに表示は元のまま」「トリミングが反映されない」などとお困りの人、必見!
iPadでの読書において、Kindleに比べて何かとやっかいなのが自炊データの転送だ。iTunes経由、USBケーブル直結、FTP転送と、読書ビュワーアプリによっても転送方法はまったく異なる。また、1つのストレージ領域を複数の読書ビュワーアプリで共有するわけではないので、例えばi文庫HDとCloudReadersで同じ本を表示したい場合、それぞれのアプリで本を個別に取り込む必要がある。
ファイル転送はGoodReaderがおすすめ
筆者個人のおすすめは、GoodReaderを用いての転送だ。GoodReaderではiTunes経由のほか、Dropbox経由、またWebDAVをサポートしたファイルサーバからの取り込みなど、多彩な転送方法を用意しているのだが、これに加えて取り込んだファイルをGoodReader以外の別のアプリで開けるという、非常に珍しい機能を持っている。そのため、自炊データをまずはGoodReaderに取り込み、必要に応じて各読書ビュワーアプリで開くようにすれば、とりあえず取り込みの方法だけは一本化できるのだ。開いた自炊データが特定の読書ビュワーアプリと相性が悪い場合でも、いちいちPCに再接続せずに、GoodReaderから再コピーすれば済む。
まずはGoodReaderに自炊データを取り込む。方法はいくつかあるが、これはiTunesのApp画面から取り込む方法。アプリ一覧画面の下部にある「ファイル共有」からGoodReaderを選び、右側のリスト内に自炊データをドラッグ&ドロップする
GoodReaderのメニューから「Manage Files」を選んで「Open in...」をタップすると、どのアプリで開くかを選択する画面が表示される。今回紹介しているCloudReaders、Bookman、iBooks、i文庫HD、Stanza、いずれにも対応する
また、i文庫HDも単体でDropbox経由のデータ転送をサポートする。PCのF「My Dropbox」フォルダに自炊データを置いておけば、自動的にクラウドと同期され、i文庫HDから読み取りが可能になるというものだ。1冊のダウンロードにやや時間はかかるものの(筆者宅の11g環境では100Mバイトのデータの転送におよそ10分ほど必要)、とにかくDropboxに自炊データを突っ込んでおけばi文庫HD側で操作するだけで自炊データが読み取り可能になる使い勝手のよさは魅力だ(くれぐれもDropbox内のデータをクラウド上で共有しないように気をつけたい)。
もう1つ、i文庫HDがサポートするFTP転送では、フォルダをまとめて転送できるので、なにかと使い勝手がよい。別途FTPソフトを用意しなくてはならないという面倒さはあるが、大量のファイルのメンテナンスを効率よく行いたければ、候補の最右翼となるだろう。ちなみに筆者はFTPソフトとしては「FFFTP」を用いている。
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