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ベース構造を踏まえて「発送電分離の副作用」を考える説明書を書く悩み解決相談室(2/4 ページ)

「問題」に対しては「ベース構造」を踏まえて「解決策」を考え、その「副作用」まで認識した上で解決策を選ぶ必要があります。この考え方で「発送電分離」という問題を解いてみましょう。

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「発送電を分離せよ」を「ベース構造・問題・解決策・副作用」で整理する

 ところが、専門的で複雑な問題は「ベース構造を把握する」のが難しい場合が多く、なかなか大変。その典型的な例の1つとして昨年来私が気になっているのが電力に関する問題です。例えば、2011年の東日本大震災にて福島第一原子力発電所の事故のあおりを受けて起こった原子力発電と電力会社に対するすさまじいバッシングの中、こんな主張をする学者や政治家がいたことをご記憶の方も多いことでしょう。

主張:発送電を分離せよ!

本文 日本では電力が自由化されていない。このために電気料金が高くなっている。発送電を分離し、競争をうながすべきである。そうすれば電力は安くなる。


 そこで、この話を「ベース構造・問題・解決策・副作用」のパターンに整理してみるとこうなります。

 「問題」と「解決策」しか出ていませんね。これでは足りません。「この薬を飲めば治ります」と言われても、副作用を聞かずに飲めますか? 単に「眠くなる」というだけの副作用だったとしても、ひとまず車を運転して家まで帰らなければいけないなら、帰り着くまでは飲むわけにはいかない――という判断になります。ましてそれが「1週間ぐらい仕事ができません」というような副作用だったら大変です。

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