フレックスは本気でやらなきゃ機能しない:そろそろ脳内ビジネスの話をしようか(1/2 ページ)
フレックス制度の本質は労働リソースの最適配分を1番状況を分かっている社員本人に任せるということ。その認識の元に制度を作らなければ、ただ勤務時間が短いだけの組織になってしまいます。
20年ほど前のこと。
全国に社員数が6000人ほどいる準大手のSIerに一瞬入社したものの、こらえしょうがなくすぐに退社。大きな会社というのは、仕事がない状態でも数カ月放置されることがありまして、それがどうしても耐えられませんでした。
この「こらえしょうのなさ」はその後もずっと続いていて、やることもないのにただ座って終業のチャイムを待つなんていうのがどうにも耐えられません。
そんな時間があれば、早く上がって映画でも見に行きたいと思ってしまうのは私だけでしょうか? と、今はそんな私の作った会社ですので、勤務形態は創業から一貫してフレックス。所定勤務時間は、平日8時間。コアタイムは11〜15時です。
「え? フレックス? ノマドとかならまだしも、フレックスなんて今どき当たり前じゃないの?」
と思われるかも知れません。しかし、なかなかフレックスが本当に機能している会社は少ないものです。おそらく。
私はこの制度をきちんと機能させるために以下5つの点を気にしています。
1.その日の思いつきで帰れること
前もって社員が計画を練り、上長に伺いを立てて承認をもらう。そうしてやっと15時に帰れる、なんていうのでは全然フレキシビリティがないです。
「あれ? 考えたら今日割と暇じゃん」
「なんか今日だるい。納期も余裕あるし、今日は帰って明日から本気出す」
こんな思いつきで帰れるのがフレックスというものです。
2.裁量労働制じゃないこと
裁量労働制とフレックスは似て非なるものです。裁量労働制だから勤務時間は自由、すなわち結果的にフレックス、なんてことだと会社から限界までタスクが詰め込まれるのは明らかです。
そうなるとフレックスどころか毎日泊まり込まないといけないくらいまで仕事が溢れます。
「わー、疲れたー。今日は3日ぶりに帰るかー」
と14時に上がったとしても、そんなの全然フレックスとはいえないです。
3.顧客へ周知する
フレックスの一番のメリットは、朝のラッシュを避けられることではないでしょうか。いや、むしろ6時からやる方が気合いが入る人は問題ないのですが、普通の人は、朝のラッシュでの体力の消耗を避け、11時頃から業務を開始。21時くらいまで働き、酔っぱらいが増える前に上がりたいのではないかと思います。
ここでのポイントは、それをきちんと顧客に言っておくことです。そうしないと10時頃に電話があるたび「まだ来てないの!? ○○さん、ちょっとだらしないんじゃないか」と、相手を不安にさせてしまいます。