ピンチを“機会”に変える――魔法の言葉を紹介しよう:ボクの不安が「働く力」に変わるとき(2/3 ページ)
仕事をしているとさまざまな「ネガティブな出来事」が起こるもの。嫌な気持ちを切り替える「魔法の言葉」で、ピンチを機会に変えましょう。
不利な条件を切り離す「まっ、いいか」と「しょうがない」
ネガティブな出来事が起こったとき、視点や意識がついネガティブな出来事に向いてしまい、クヨクヨしたり、なかなか気持ちが切り替わらなかったりすることがあります。
このときに便利なのが「まっ、いいか」です。「まっ、いいか」には、「出来事(事実)」と「気持ち(感情)」を切り離してくれる力があります。
言葉には、実際にそうでなくても言葉に発することで「そういう気持ちにさせる力」があります。取りあえず言葉に出すことで、そのような気持ちになり始めるのです。そこで取りあえず、
「あ〜あ、仕事が思うようにいかなかった。まっ、いいか」
「くそぉ、上司から叱られた。まっ、いいか」
「顧客が無理な要求を言ってくる。嫌だなあ。まっ、いいか」
のように、「まっ、いいか」と言葉に出してみましょう。ネガティブな出来事から気持ちを切り離してくれます。
「しょうがない」もこれと同じ効果があります。「起きてしまった過去の出来事はどうすることもできない。次のことを考えよう」というように、出来事から気持ちを切り離してくれます。
「まっ、いいか」「しょうがない」という言葉には、「途中で投げ出す」「あきらめる」という意味もあるので、あまり好きではない人もいるかもしれません。途中で投げ出さずに最後までやり遂げることはとても大切なことです。
けれども、ネガティブな出来事に執着してしまうのならばどこかで気持ちを切り替える必要があります。「まっ、いいか」「しょうがない」は、それを助けてくれます。
不利な条件を機会に変える「だからこそ」と「おかげで」
次に紹介するのは「だからこそ」です。「ピンチはチャンス」と呪文のように唱えても、なかなか具体的には考えられませんが、「だからこそ」を使うとネガティブな出来事を受け入れた上で、それをどう生かすかの方向に意識や思考を向けさせてくれます。
前出のスポーツ番組のアナウンサーや解説者は、この「だからこそ」の使い方がとても上手です。例えば……
「ここしばらくは負けが続いていますからね。だからこそ、この一戦が非常に重要なんです」
「今まで苦しい時期を過ごしてきましたからね。だからこそ、今回は飛躍するきっかけにしてほしいと思います」
のように。「だからこそ」は、ネガティブな現状を否定せずに受け入れながらも気持ちを前向きに変えさせてくれます。
あなたの仕事で起こったネガティブな出来事に対しても、仮に気持ちがそうでなくてもいいので、取りあえず「だからこそ」を付けてそれがどんなチャンスや機会に変えられるかを考えてみてください。
「あ〜あ、仕事が思うようにいかなかった。だからこそ……」
「くそぉ、上司から叱られた。だからこそ……」
「顧客が無理な要求を言ってくる。嫌だなあ。だからこそ……」
このときのポイントは「だからこそ」を少し強調し、大げさに言ってみることです。「だ・か・ら・こ・そ」のように。
また「おかげで」にも、「だからこそ」と似た効果があります。その出来事から何を学べるか、将来どんなことに生かせるかを考える手助けをしてくれます。
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