「うちの営業マンはだらしない!」の正体とは?:営業マンが自ら3倍動き出す(1/2 ページ)
「うちの営業マンはだらしがない」と思わず嘆いてしまうことがある経営者の方、自問してみてください。強制力で人を動かしてしまっていませんか?
前回「上司は、部下を育てたくない?」の続きです。
今回は「怒ってばかりいる営業の責任者」に心当たりのある、営業面で悩んでいる中小企業の社長さんにぜひ読んでもらいたい、と考えながら書いています。
Kさん いますねえ。部下に対して、プチ独裁者的に振る舞う人って。
庄司 いますよね。そんなことをしても成果が上がるわけがないんですけどね。
独裁者的な振る舞いというのは、「売れるまで帰ってくるな!」という種類の、恐怖と強制力で人を動かそうとするスタイルです。
スコップで穴を掘らせるような肉体労働ならともかく、現代の社会で法人営業をやろうとするときにそんなことをしても営業部門が「チーム」としてまともに動くことはありません。
Kさん チームが成果を挙げるようになるためには何が必要なんですか?
庄司 ものすごく大ざっぱに言うと、目標のイメージを共有してマネジメントの技術を駆使すること、ですね。
目標のイメージは次のようなものです。
- お客様が自社の商品を使って喜んでくれる
- 商品が売れて営業成績が伸びることでチームが幸せになる
- 売るためにチームが協力して楽しく仕事をしている
庄司 こんな未来を実現するぞ! という強い想いがリーダーには必要なんですよ・
Kさん 強い想いですね。そうですね。そのイメージに共感できれば、やる気になりますもんね。
庄司 少なくとも社長はこの「強い想い」は持っていることが多いんですよ。
Kさん なるほど。
庄司 ただし「想い」だけで組織は動きませんので、それに加えてマネジメントの技術が必要です。
よく、組織を動かして成果を出せる人のことを「あの人にはリーダーシップがある」と評することがありますが、「リーダーシップ」というのは実は目標への強い想いとマネジメントの技術の2つを車の両輪として成り立つものなんです。
マネジメントは「想い」を実現するためにチームを動かす「技術」です。この「想い」と「技術」の両輪がうまく回り出したときに、チームは見違えるような力を発揮します。
私は今までその現場に通算50社以上立ち会ってきましたので、このことは間違いなく断言できます。
関連記事
- 上司は、部下を育てたくない?
先日コンサルティングを担当したある会社では、社長から現場を任されていた責任者が辞めてしまうケースが非常に多い。彼らに共通する思想とは? - 上司が部下に言ってはいけない、10のセリフ
会社の中で「課長」が与える影響力は大きい。現場におけるキーパーソンであり、課長次第で、業績も部下の成長も大きく左右される。今の時代、課長が身につけておくべき能力は何だろうか。本連載では、課長が身につけておくべき「上司力」について考えていきたい。 - 部下がミスの報告を恐れなくなる、上司のこんなひと言
部下が仕事でミスを犯した場合、上司としては早く報告してほしいと思うもの。そのためにも、ミスを報告しやすい環境をつくっておくといいだろう。そんな雰囲気作りに役立つ上司のひと言とは。 - 優しい上司と厳しい上司、あなたはどっち?
部下を持つ管理者の共通した思い込みがある。多くの管理者は、その思い込みから抜け出せないまま、部下とコミュニケーションを取り続けている。部下と本気で向き合えない上司に明日はないと思え! - 職場の将来性、人間関係……5人に4人が仕事で悩みを抱えている
近年、頻繁に取り上げられるようになった職場でのメンタルヘルス問題。「職場の将来性」や「職場の人間関係」など、5人に4人が職場で悩みを抱えているようだ。特定非営利活動法人しごとのみらい調べ。 - やる気は「出す」ものではなく「出る」もの
自分はやる気があるのにほかのスタッフがやる気がなく、「やる気を出そうよ」といってみても、冷たい目で見られるだけ……。楽しく仕事ができる「働きやすい職場」には、仲間のやる気が大事です。「褒める」をテーマに、仲間のやる気を引き出す会話の方法を伝えます。