ScanSnapで大量の名刺を一挙にEightに登録できる「Eight Scan」はどの程度使えるか?(3/3 ページ)
Sansanが提供する名刺管理サービス「Eight」はOCRの精度が高く便利な一方、大量の名刺を1枚1枚撮影するのが手間だ。「Eight Scan」を使えばそれをスキャナで解決できる。β版ソフトだが、どの程度使えるのか試してみた。
Eight Scan β版の実用度は?
今回試してみて、いくつか不具合やマニュアルと異なる部分があった。
例えば、EightScanのインストーラが、アプリケーションとしてEightScanの実行ファイルの場所をScanSnap Managerに追加したはずなのに使えず、前述のように自分で追加しなければならなかった。
動作確認機種とアナウンスされているiX500だが、Eight Scanはβ版であり、このような不具合も起こり得るので注意が必要である(※)。
(※)編集注:初出時、「片面だけ印刷されている名刺を2枚、スキャナにかけ連続でスキャンすると、なぜかEightScanが読み込んだ名刺画像の一覧では、この2枚が「1枚、裏表」の名刺データとして認識されてしまった。バグのようである。」としていましたが、設定変更により正常に動作することを確認しました。お詫びして訂正いたします。
しかし、とにかくスキャナから名刺データを一度に何枚もEightのサーバにアップロードできるという便利さを味わってしまうと、スマートフォンで1枚ずつ名刺をアップロードしていたのがかなり面倒な作業に感じられてしまう。何度か使いながら不具合を回避する方法を工夫して見つけ出すなど、多少苦労しても使い続けたいと思わせる魅力がある。
現在SansanではEightの利用者が増えたためか、名刺の登録作業に通常よりも時間がかかっているという。通常、1〜2日で名刺のデータが利用できるようになるところ、実際には2〜3日で20枚ほどの名刺の登録が終了した。筆者としては許容範囲だと感じている。
これだけ有用なサービスであるから、現在はβ版ではあるが、ぜひ正式サービスに組み込んでほしいと思う。その際には、スキャナの機種対応も充実すると期待したい。
また、PFUのScanSnapシリーズのみならず、他社のスキャナのユーザーにもこうした利便性を提供してほしいものだ。
多くのメーカーや機種に対応するには開発費が膨大になる懸念があるが、EightにJPG画像をアップロードできる機能を追加する方法ならば、機種依存の問題も避けられ、現実的ではないだろうか。
Sansanに問い合わせてみたところ、こうしたニーズがあることは把握しているが、受け入れる画像の基準を設定するのが難しく、広く取り過ぎると納期遅延につながる恐れがあるので、現在は慎重に検討中だそうだ。われわれユーザーが強く望めば、実現に向かうかもしれない。筆者としては、一部有料にしても構わないので、JPGなどの名刺画像データをEightでも受け付けてほしいと思う。
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