非破壊型スキャナ「ScanSnap SV600」とEightを使った名刺管理を試してみた:ScanSnap SV600レビュー【番外編】(4/4 ページ)
今回は番外編として、ScanSnap SV600が持つ機能の1つである名刺の複数枚同時読み込み機能を中心にレビューしよう。
SV600のスタイルは、名刺スキャナとして最強かもしれない
SV600のレビューを「自炊」の観点とは別に「名刺」という観点でレビューして分かったのは、予想以上に使いやすいこと。SV600のようなスタイルのスキャナは、名刺スキャナとして最強ではないかと思う。
無造作に机の上に名刺を並べ、スキャンボタンを押すだけで名刺が取り込まれる。重送やジャムといった、シートスキャナにつきもののトラブルから無縁である。無造作に読み込ませるだけなのに、画像処理技術のおかげで、名刺が曲がって読み込まれる(スキュー)の心配もない。この手軽さなら、毎日人と会う機会の多い営業マンや経営者の方にもお薦めできそうだ。
10枚まで同時に名刺を取り込めるのもとても良い。1枚1枚だと、スマートフォンのカメラで撮っているのとあまり変わらないからだ。
ただしSV600は、A3サイズより少し広い背景マットを使うために、かなりの設置面積が必要だ。このサイズのマットを広げっぱなしにできる環境は、狭いオフィスや一般家庭では難しいものがある。
本体ももっとコンパクト化、軽量化がなされ、アームタイプの電気スタンドのように机にクランプで取り付けたりできれば、設置手段の自由度が増し、より便利に使えるようになるのではないだろうか。
SV600にはとにかく、これまでのスキャナとは違った魅力を感じた。「スタンド型」とでも表現できそうな、新しいスタイルのスキャナの第1世代である。今後、このスタイルのスキャナのさらなる改良、進化に期待したい。
Eight Scanへの正式対応にはまだ時間がかかりそうだが、一括で複数の名刺を取り込めることには可能性を感じる。なお、本件についてSansanに問い合わせたところ、以下のようなメッセージをもらったので最後に紹介しておきたい。
Eight ScanでScanSnapに対応したのは、国内でのシェアが大きかったことと名刺の向き補正などの機能が充実しているためです。画像アップロードのニーズが多いのは認識しておりますが、名刺の画質が保証されないため、その後の処理工程に影響を与える可能性があり現状では見送っている状況です。SV600や他社製スキャナへの対応については、EightScanの利用動向を見ながら順次展開していきたいと考えています。
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