“Square”個人で決済システムを持つ時代――88%現金払いの日本市場は狙いか?:マーケターの失敗録
スマートフォンを活用したクレジットカード決済サービス「Square」を実際に使っている場面にようやく遭遇できた。先行展開しているPayPal Hereと何が違うのか? 実際の使用感は?
PayPal Here、Square、Coiney、楽天スマートペイ――こうしたスマートフォンを活用したクレジットカード決済サービスがここ数カ月、各社から提供されている。そのうちの1つ、SquareはTwitterの創始者ジャック・ドーシー氏が4年前に立ち上げたサービスで、2013年5月に日本に上陸したものだ。
サービスインから約2カ月、88%が現金払いをする日本とあってSquareをなかなか見ることができなかったが、先日ニューヨークで買い物をしたとき、私もようやくSquareを使う場面に遭遇できた。
店員と「個人間で取引するGarage Saleに向いてるよね、クレジットカードをスワイプしても時々認識しないんだ」なんて用途や使用感を雑談した後、興奮のあまりその足で近くのアップルストアに行き、Squareリーダーを購入してしまった。価格は約1000円だが、キャッシュバックで1000円戻ってきたので実質無料だ。
Squareは米国を中心に世界約4万店舗での導入実績がある。日本ではフリーマーケットのような小口決済をクレジットカードで行う個人事業者、小規模事業者に支持されそうな印象を受けている。私の嫁も個人事業で、お試し中だ。
PayPal Hereとの違いは?
先行展開しているPayPal Hereと何が違うのか? 調べてみると以下の動画が1番分かりやすかった。個人的に次の2点が市場獲得の勝敗を分ける差異だと感じている。
- Squareは決済額の2.75%(日本は3.25%)を手数料として差し引くところPayPal Hereは2.70%
- PayPal Hereのほうが事業者への支払いが早い
今回ニューヨークで試したかったが試せなかったのが次の動画で紹介している「Square Wallet + Starbucks」だ。
スマートフォン1つでスターバックスのドリンクをいつでもどこからでも購入できるサービスだ。日本で使える日はいつになるのだろうか。楽しみだ。
Squareなどの登場により、スマートフォンを事業者としても消費者としても(当然)使える時代になりました。普段私たちが持ち歩いている財布にトラッキングコードが埋められ、どこで何に支出したかをデータ管理できる時代だと改めて実感した出会いだった。
事業者、消費者の両方の決済システムを個人で持つサービスがスマートフォンに加わると、財布がスマートフォンに変わる日も近い? かもしれない。
※この記事は、誠ブログのマーケターの失敗録(T_T):"Square"個人で決済システムを持つ時代 - 88%現金払いの日本市場は狙いか?より転載、編集しています。
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