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「不格好経営」――DeNA南場智子氏、ゴールを追える人材こそがグローバル企業家に聞く:南場智子氏【後編】(2/4 ページ)

DeNAを創業し、現在は取締役としてその経営に携わる南場智子氏。近著『不格好経営―チームDeNAの挑戦』でも触れているグローバル展開について、そこに対する南場氏の思いや、求められるグローバル人材像について聞いた。

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真の「グローバル人材」とは?

まつもと 前回話を伺った成毛眞さんは、「日本人の9割に英語はいらない」という刺激的なタイトルの本の中で、逆説的に1割の人材には徹底的な英語力が必要と説いています。均等に全員に英語教育を施すことの拙さを指摘されているわけですが、南場さんは世界展開で必須となるグローバル人材については、どういう見方をしていますか?

南場 抽象的な言い方になってしまうかもしれないのですが、「ある環境じゃないと活躍できない人材」ではダメだと思います。つまりグローバル、と一言で言っても、じゃあアメリカで通用すればOKかと言えばそうではない。中国、オランダ、ロシアなどなど別の国に行けば、また求められる要件が全然違ってくる。ユーザーだって「グローバル」という1種類のグループがいるわけではありません(笑)。全部の地域で最初から活躍できる人なんているわけない。

 グローバルかローカルか、という区分けをするのであれば、「環境を選んで仕事をする」人がローカルなんです。「環境に関係なく、目標に向かって集中し、事を成せる」――そういう人材はグローバルなんです。

まつもと 適応力、ということでしょうか?

南場 いえ、適応力と言ってしまうと、環境に自分を合わせられるか否かという話になってしまいます。そうではなくて「どんな環境であっても当然のように適応して、その先に成果を出せるか」ということがポイントです。

まつもと 本書の中で印象的なキャラクターとして登場する渡辺さん(愛称:ナベちゃん)、がイメージされますね。

南場 そうですね。彼は一般的にはローカルに分類されると思うんです。英語が全然喋れませんでしたから。でも、彼は放り込まれたさまざまな環境の中で、必要なモノは何かを見極めて目標を達成するために、プロセスを組み立てて突進できる。そのエネルギーを維持できる人材で、真の意味でのグローバルな人材の1人だったと思います。


創業からDeNAを支えた渡辺氏(写真右端)は、現在ロンドンでベンチャーを経営している

まつもと 守安社長も英語が苦手だったというエピソードが米国法人のスタッフとのやりとりなども交えながら紹介されていました。英語力=グローバルということではない、ということになりますね。

南場 それは違う、と断言できますね。

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