考えている“フリ”が重要:あなたの話の9割は相手に伝わっていません(2/3 ページ)
じっくり考えることが当然の質問に対して即答してしまうと、適当に答えている、あるいはまじめに考えていないように見えてしまう。少なくとも、「考えているフリ」はしたほうがいい。今回は、考えているように見えて「頭がいい」とまで思わせる方法を紹介する。
競合他社はけなさないのが鉄則
営業をしていて、競合他社が話に出ることがある。
「最近、A社はがんばっているよね」
さて、こう言われたらあなたなら何と返すか? このあとの対応で、あなたへの信頼は大きく変わる。アメリカでは、データを用意して「他社のここがよくない」「それに比べてウチはこんなにいい」などという、選挙のネガティブキャンペーンと似たパターンが良いという。
しかし、日本でこれをやると「他社を悪く言った」本人の人間性が疑われて、かえって評価が下がってしまうものだ。
競合他社は、けなさないのが鉄則である。正解は「サラリと褒める」。そのあとはすぐに、他の話題に移るのが賢い。
「確かにA社はいいですね。コマーシャルをよく見ますよね。コマーシャルといえばウチの新製品なんですが……」というように、自然に話を変えていく。あくまでも、流れを崩さないこと。
ただ、明らかに話を変えたと分かる接続詞は使わないほうがいい。「話は変わりますが」とやってしまうと、他社の話はもうしたくないというのが見え見えになってしまうので気をつけようよう。
これはふだんのコミュニケーションでもまったく同じで、会話で自分の話が盛り上がっているときに「ところで」「話は変わるけど」などと言われたら、いい気分にはならないはずだ。
言うとしたら「それで思い出したんですが」とか「A社といえば、この間……」というように、さり気なく話を移すような「つなぎ言葉」を工夫しよう。そして、他社のことが出たらひと言だけ褒める。サラリと。
「あそこは今がんばっていますね」
「A社、いいですよね」
――くらいにしておこう。言うまでもなく、褒めすぎてしまってはかえって不自然だ。
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