「会社の英雄」になってどうするの? 長時間労働の末に悟った「人間らしい働き方」とその実践法:3分LifeHacking(2/2 ページ)
仕事が山積みになったら、とにかく働き、いざとなったら週末も返上して仕事をすればよい――。もしこんな考えをもっているとしたら、それは間違っています。逆にさらに問題が生じるだけです。
社員の模範となるべく、早く帰宅する
長時間労働がもたらす負の影響を断ち切るために、数カ月前に始めたことがあります。それは、5時半に会社を出ることです。「社員の模範となるべく、早く帰宅する」のです。CEO・設立者・管理職がとる行動は、会社の社内文化を形づくります。
これは効果てきめんでした。思考が明晰になり、会社の方向性についてより戦略的に考えることができるようになりました。全てを自分でこなす必要がなくなり、集中力はより高まり、生産的になりました。そして周囲のメンバーに対しては、より強い責任感を持つように言いました。家族との時間はより安定しました。社内でうまくいっていないことがあるのではないかという不安感からも解放されたのです。
本業以外のことに取り組める時間を残しておく
私は常に、何か新しいことを試したり、面白いものをいじってみたり、興味のあるものについて調べてみるといったことをしています。同じように、仕事に関係のある領域で、取り組んでみたいものがある人は多いでしょう。
本業の仕事ではなくとも、内容が興味深く、思考が刺激されるようなことは、ぜひやってみるべきです。
そうした本業以外のことをする場合には、ルールの設定が重要です。今の仕事内容の中核に近い領域のことであれば、チーム作業に影響を及ぼさない時間帯や、仕事中にやってみるのも良いでしょう。直接、仕事とは関係がないけれども、実験的な試みや仕事にプラスになりそうなことは週末に取り組んでみるのが良いかもしれません。
人ができる仕事量には限界がある
チーム全体の生産性を高めるには、悪い習慣を止めることです。負の影響を生んでいる習慣を探して、それを正す方法を見つけてください。例えば長時間労働の問題に気付き、それを止めることもその1つです。
また、人間らしい働き方で到達可能なレベルというのを受け入れることも大切です。「できる仕事の量はできる仕事の量だけ」というのが私のモットーです。人が一定の時間内にできることには限りがあります。私はその事実を受け入れたことで、よりリラックスできる、クリエイティブになれる、インスピレーションを多く得られる環境を築くことができました。
その結果、私と私のチームは、時間の使い方について賢くなり、個人の時間という決して無駄遣いすべきではない時間を大切にするようになりました。
追い込んで仕事をすることは大切です。しかし現実的になってください。仕事の流れとプロセス、共同作業に基づいて社内文化を築いてください。決して「会社の英雄」に頼るのではなく。
関連記事
- ストップ長時間労働! 組織のリーダーと自分自身が考えるべき「働き方改革」
労働時間を長くしている主な要因が、労働を時間で計ったりする「時間給」や「週40時間労働」という慣習です。そうした働き方をしている人でもできる、長時間労働を減らすためにできる具体的な対策を考えてみましょう。 - 「解雇されないだけマシ」「長時間労働こそ鑑」――上司が陥る10の勘違い
ロバート・ハーフ・ジャパンは「管理職者の思い違い」に対する見解を発表した。「仕事があるだけ運がいいと思え」「長時間働く部下はいい部下」など、管理者の思い違いで士気をそがれた部下が転職しがちだという。 - 「残業は減らせない」のウソ
残業が恒常化してくると、残業することが当たり前になってしまいがち。ところが本当に残業は減らせないのでしょうか。いくつかの資料をもとに解説します。 - その残業、本当に必要ですか?
私たちビジネスパーソンが残業をするのは、やむを得ないことなのでしょうか? 残業の多くは、生産性がきわめて低く、実際には必要がないものです。朝の時間に注目することで残業を減らし、生産性を上げ、生活の質を向上させてみませんか?
関連リンク
copyright (c) mediagene Inc. All rights reserved.