常に、妥協しない――“モテる”マッキンゼー流の共通点:マッキンゼー流仕事術(2/2 ページ)
仕事は自分が目指すレベルに達するまで妥協せず、朝まで仕事をして、また普通に出社してくる。そんな人がマッキンゼーの仕事でも「モテる」のですが、その姿は、修行僧にも似たストイックさがあったかもしれません。
マッキンゼーな人とは?
仕事でもスポーツでもそうですが、ふと周囲を見渡したときに、なんだか「ダラダラと適当にやっている人」しかいなかったらどうでしょう。
いくら頑張れる人でも何となくその緩い空気に流されてしまったり、モチベーションが下がったりしてしまいそうです。
UP OR OUT(バリューを出し続けるか、出て行くか)という、新入社員には「えっ」と思うような空気に満ちていたマッキンゼーですが、私のような勢いで入社してしまったような人間でもやっていけたのは、「自分に厳しい人たち」が集まった環境だったからでしょう。
いい仕事がしたい。いいアウトプットを出したい。そして、もっと上質の仕事がしたい。そんなふうに常に高いバリューを探究する人たちに囲まれている中で、自然に私も「同じように付いていきたい!」と思っていたのです。
そもそも、マッキンゼーはそういう環境に放り込んでも大丈夫な人間だけを採用しているとも言えます。優秀さだけではなく、自分で自分をショーケースできるような、何か「持っている人」ということでしょうか。
あの大前研一さんも、日立の原子力エンジニアから畑違いのマッキンゼー(当時、開設されたばかりの東京事務所)に転職したときに、延べ8人の面接官から、ほとんど「判定不能」の評価を受け、ただ1人「◎」があったことで採用されたのだということを聞きました。
逆に言えば、普通に「○」が並んでいるような優秀な人よりも、他の人にはない「◎」があるような華のある人が採用されていたように思います。優秀かつ、何か華のあるチャーミングな人というのが「マッキンゼーらしい人」のようです。
そしてさらに共通しているのが、ほとんどの人が「何か自分でやってみたい」と思っていること。定年までマッキンゼーで働きたいという人なんて、限りなくゼロに近かったように思います。
むしろ、そんな人のほうがマッキンゼーでは「変人」だったかも……。
常に上を目指して、仕事で確実に成果を出す。そのために、どんな状況でも戦える仕事の武器と戦術を新人時代からたたき込まれたことで、入社3〜4年で独立する人も多くいました。また経営、マネジメント層にキャリアを進める人がいるのが珍しくなく、私も自然に「そうありたい」と思うようになりました。
おかげで、今のような先の見えない時代でも「怖さ」がありません。新しい仕事、新しいチャレンジ、あるいは困難な問題に立ち向かうときに「怖くない」というのは、それだけでも強みになります。
マッキンゼー式の「問題解決」スキルの本当のすごさとは、スキルを身に付けた人がいつの間にか何も動じない、強くて達観した精神力まで備えてしまうところとも言えます。
「問題解決」スキルは上達したけれど、新しいことには怖くて挑めないというのではもったいないですよね。ぜひ、自分を強くするという視点でも、マッキンゼー流を参考にしてほしいと思います。
関連記事
- マッキンゼー卒業生が、入社1年で「一生使える」仕事の技術を持てるワケ
なぜ、マッキンゼー出身者は各業界で活躍できるのでしょうか? その秘密はマッキンゼーの新入社員研修にありました。 - 『マッキンゼー現代の経営戦略』――6つの戦略フレームワーク
絶版後、数万円で取り引きされていた経営書、それが『マッキンゼー現代の経営戦略』だ。大前研一率いるマッキンゼーが、40社の経営者を集めて行なったセミナーをまとめたもので、戦略構築の基本を知るために外せない1冊である。 - シリコンバレー発「日米をつなぐ」働き方――渡辺千賀さん
日米の企業をつなぐ仕事をしながら、自分に合ったスタイルを選び取って働いている。そんな渡辺さんの仕事術とは――。 - 「永久ベンチャー」で有り続ける――南場智子氏、だからこそDeNAは強い
DeNA創業者で、現在は取締役としてDeNAの経営に携わる南場智子氏。6月に出版した『不格好経営―チームDeNAの挑戦』で驚くほど赤裸々に失敗談もつづっている。南場氏が本書に込めた思いを聞いた。 - “専門分野を極める”ための、情報収集術と整理術
みなさんは、仕事に役立つ情報をどのように集め、活用していますか? 今回は、業界情報の収集・整理を効率的に行う方法をご紹介します。 - 安倍政権のTOEFL必修化は必要? 「日本人の9割に英語はいらない」著者、元マイクロソフト社長成毛眞氏に聞く
元マイクロソフト社長で2011年に話題となった書籍『日本人の9割に英語はいらない』を出版した成毛眞氏。いま、安倍政権の下でTOEFLの必修化などが打ち出されているが、氏はそれをどのように見ているのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.