「起業はリスクが高い」は勘違い――安定ビジネスこそ実はリスキー:稼ぐ人の仕事術(2/2 ページ)
「起業したい」と言っても、実際に行動に移す人は少ないです。それは「起業はリスクが高い」と勘違いしているからです。実は、起業よりもよっぽどリスクの高い働き方があるのです。
リスクを下げる起業の5つのポイント
起業5年後の生存率は20%以下だとかいう話が、まことしやかにささやかれます。しかし、以下の5つのポイントを押さえていれば、失敗の確率とリスクを大きく減らすことができます。
- ポイント1 粗利額が高い商品を取り扱う
商品の粗利(価格−仕入額)が高い商品を取り扱うことで、手元に利益が残りやすくなります。つまり、それだけビジネスが安定することになります。
- ポイント2 リピート商品を取り扱う
起業して最も苦労するのが新規客の獲得です。つまり、新規客の獲得は最小限にしたほうがビジネスはラクに回ることになります。
リピート客の獲得コストは、新規客のそれと比べて5分の1以下と言われています。よって、はじめからリピートを見込める商品を取り扱います。
- ポイント3 マーケティング/セールスを勉強する
ビジネスにおいて最も重要なのは売ることです。売れさえすればお金が回ります。お金が回れば、それ以外の仕事は他に任せることができます。
手続きや経理や事業計画書の作り方を学ぶ人が多いですが、そんなものは実際にビジネスが動き始めたら必要ありません。これらは外注が可能ですから、まずは、売り方に直結するマーケティングとセールスを勉強しましょう。
- ポイント4 開業費用を抑える
開業をする際のコストは、できる限りかけないようにします。コストをかけるほどビジネスは大変になります。
ちなみに私の開業費用は8万円です。机と椅子とFAX付きのプリンタの購入費用のみでした。
- ポイント5 副業で始める
いきなり「エイっ!」と会社を辞めるのではなく、副業で始めます。
たまに、自分を追い込むために会社を辞める人がいますが、大抵はお金が回らなくなって追いつめられて、正常な判断ができなくなります。だから、副業という形で安定した収入がある状態で取り組むことを強く推奨します。
生活が安定してるために、なかなか行動できないという人もいますが、それくらいで行動できないのなら、本当は起業したいなんて本気で思っていないということです。
以上の5つのポイントを押さえれば、大きな失敗はしないはずです。万が一失敗しても致命傷を負うことはありません。
確かに、立ち上げたビジネスがうまくいかない、ということはあり得ます。しかし、そういう場合でも、一度は社長という名刺を持ってビジネスをしていたわけですから、会う人も社長が多くなります。
まともに仕事をしていれば、会社が潰れたならウチの会社で力を発揮してほしい、という声が何件もかかるはずです。実際、私の周りでビジネスに失敗した人はいますが、全員それなりの地位と報酬を持ってちゃんとカムバックしています。
むしろよい経験ができた分、ずっとぬくぬくお勤めするよりプラスだと言えます。
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