ノマドと書いて「奴隷」と読む――その現実を知っていますか?:稼ぐ人の仕事術
最近では、カフェでPCを開いて仕事をしている人をよく見かけます。「ノマド」と呼ばれる人たちで、主にフリーランスで働いている人のことを指します。場所や時間にとらわれないのは魅力的に映りますが、あなたはその現実を知っていますか?
『稼ぐ人の仕事術』について
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この記事は2013年8月30日に発売された北岡秀紀著『96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。
体のいいリストラ要員だと気付いていますか?
カフェに行くと、PCを開いて仕事をしている人が目につきます。彼らのような人をノマドと言い、最近もてはやされています。ノマドとは遊牧民という意味で、場所や時間にとらわれず仕事をする人たちのことを指します。
多くはフリーランスと呼ばれる人たち。横文字で言えばかっこいいですが、要するに1人でビジネスをやっている個人事業主です。仕事内容は、以前働いていた会社の下請けみたいなことをやっている人が大半です。
ただ最近は、彼らが仕事を取る方法は下請けだけではなくなりました。フリーランスの人に仕事をしてもらいたい会社が、人を募集することができるサイトもあります。あるサイトでは案件数が「50万件を突破した」などと言われ、フリーランスの市場はますます大きくなっているようです。
しかし、そのようなサイトを見てみると、実態はただの価格の叩き合いです。「こういう仕事があります」と企業が案件を流すと、何十件も受託希望者が手を上げます。
もちろん多くの発注者は過去の実績などを見ますが、基本は価格勝負。一番安いところに仕事を回します。
……ん? やっぱり下請けじゃないですか? しかも、以前働いていた会社の下請けよりも、よっぽど儲けが少ないのでは!?
会社も従業員を抱えきれなくなってきていますから、フリーランスはますます増えていくはずです。
もちろんクビとは言えませんから、「独立すれば? キミならできるよ。ウチからも仕事を出すし」みたいな体のいいことを言うわけですが。
そうすれば、もっともっと価格競争は激しくなります。さらに、仕事の取り合いの地獄絵図になることは目に見えてます。
フリーランスとして大成功している人はたくさんいます。一方で、何の付加価値もない人は、ただの下請けに甘んじ続けています。
確かに、働く場所が制限されないという意味ではノマドなのかもしれません。しかし、結局は、元請けに安くこき使われるだけの奴隷ならば、何の意味もありません。
(稼ぐ人の仕事術=終わり)
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