ネットラジオとPodcast、30分聴くとどれだけ通信量を消費する?:「格安SIMカード」は仕事に使えるか? 第13回(1/2 ページ)
ネットでラジオ、というのは今や当たり前のように提供されているサービスだが、格安SIMで楽しむ場合、音声データの通信量が気になる。動画ほど多くはないはずだが、どれほどになるのか、30分番組を聴取してみたところ……。
月額1000円以下の格安SIMを使って、スマホの機能やサービスを使ってきた本連載もいよいよ最後の1カ月となった。この3月は“うっかり使うと危険な通信量”になりそうなサービスを積極的に使っていく。今回試すのは、インターネットラジオ。仕事にスキルアップに(たまには息抜きに)、そして緊急時にも役立つサービスだ。
筆者が使っているSIMカードはLTEが使える「U-mobile*d」だ(データ通信量が1Gバイトまでなら税抜き680円/月)。ドコモのXperia Z1に差して利用しているが、今回は通信量だけでなく、音が途切れたりせず、スムーズに聴き続けられるかも重要なポイントとなる。
今回使うアプリは以下の3本。いずれも無料のアプリだ。
本記事で使用するインターネットラジオ関連アプリ | ||
---|---|---|
アプリ名 | 説明 | データサイズ |
radiko.jp for Android | ラジオアプリとしては定番。「IPサイマルラジオ」と呼ばれる、地上波のラジオを聴けるサービス。現在地を検出し、該当地域で聴取可能な放送局の番組を聴ける。 | 1.84Mバイト |
NHKネットラジオ らじる★らじる | NHK公式のインターネットラジオ。日本国内限定で提供されており、地域によって仙台、名古屋、大阪、東京のNHKラジオ第1を聴ける。NHKラジオ第2とNHK FMも聴取可能だ。 | 5.58Mバイト |
ポッドキャストHD | Podcastはラジオ番組をはじめ、音声や動画の番組が世界中から提供されているサービスだ。iOS向けと思われがちだが、AndroidでもPodcastを楽しめるアプリはたくさんある。本アプリは日本の番組を数多く聴けるのが特長だ。 | 1.39Mバイト |
データサイズについては、「らじる★らじる」は5Mバイトを超えるものの、radikoとポッドキャストHDは1Mバイト台。アプリのサイズは比較的小さく、LTE通信でダウンロードしてもよさそうだ。もちろんWi-Fi接続であれば通信量の節約にはなるが、ふと「ラジオを聴いてみたいな」と思ったときに、気軽にGoogle Playで入手できるのはありがたい。
radikoに意外な落とし穴
さて、それでは各アプリの通信量をチェックしていこう。
まずradikoだが、これが意外とやっかいだった。ほとんどの格安SIMカードはドコモの回線を借りて通信をしているが、ドコモのspモードを契約しているわけではないため、基地局データを利用した位置情報の取得が行えないのだ。地域の判定ができなければ、ラジオを聴くことができない。屋内で地域判定を行い、ラジオを聴きたい場合はWi-Fiに接続する必要がある。
もちろん、屋外に出れば(屋内でも窓際など外に近い場所なら)GPSを使った地域判定が可能だ。なお、この地域判定の操作からトップページの表示までで0.77Mバイトの通信量が発生した。1Mバイト未満とはいえ、わずかな操作でこのデータ消費量はちょっと痛い。
一方らじる★らじるは、通信さえできれば地域が判断できるようで、アプリを起動するとすぐに放送局を選べる。屋内でも問題はなかった。ポッドキャストHDは、番組をWeb上からダウンロードかストリーミング再生するだけなので、通信圏内であればどこでも使える。
番組選びでも通信量を消費
radikoとポッドキャストHDは選択できる番組数が多い。番組選びで通信量をどれだけ消費するのだろうか。radikoは聴取できた放送局が13局あったので、ザッピング(それぞれチャンネルを次々と切り替える)をしたところ、データ通信量は6.62Mバイトとなり、ポッドキャストHDでは、3分ほどさまざまなカテゴリの番組一覧を見てみると、通信量は1.77Mバイトとなった。
単に番組を探しているだけで、1〜6Mバイト程度も消費してしまった。radikoのザッピングの場合、番組を切り替えていくたびに、それぞれの音声を聞くことになるので通信量が増えてしまう。Podcastも番組名を見ているだけで1.77Mバイトも消費してしまうのは痛い。
これらの結果をふまえると、聴きたい番組は最初から絞っておいたほうがいいだろう。ポッドキャストHDは「ブックマーク」に番組を登録できるので、Wi-Fi接続時にじっくり番組を選んでおくのがオススメだ。
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