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コラム

人事異動の季節に思う5つのことICHIROYAのブログ(2/2 ページ)

毎年、人事異動の時期になるとそわそわしたものだ。組織の中でいかに生きるか、下された異動をどう理解するかについて、会社員生活の中で学び、痛感したことを紹介しよう。

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3.自分に不向きと思える職務を与えられたら大きなチャンス

 若いころ、僕自身はライン向きではなく、スタッフ向きだと固く信じていた。しかしあるとき、人事部の配慮で企画のスタッフから営業部のマネージャーに押し込んでもらった。たぶん、受け入れてくれた営業部長にはいい迷惑だったはずだ。実際に、1年ぐらい迷惑をかけまくってしまった。

 営業のマネージャーになったとき、自分にできるとはとても思えず、その異動が嫌で仕方がなかった。だけど今では、そのときの人事部の配慮にとても感謝している。それがなければ、僕が今、職業的にできることは、もっともっと範囲の狭いものだったに違いない。

4.一歩遅れたときの態度こそ、その後の将来を決める

 競い合っている同期たちにも、やがてその差が開いていくときがくる。そして、同期が先に課長になると、何だか「負けてしまった……」「なぜあいつが?」などとと思ってしまいがちだ。

 しかし多くの場合は、1.で述べたような複雑な意図を重ねあわせた結果としてそうなったのであって、本質的に「負けた」わけではない。また、一歩遅れたことがその人の価値を決定的に決めるものではない。

 1.を理解していれば、そのことはよく分かるはずだ。たまたま現時点でのベストな配置を考えるとそうなる。人事制度上は一歩遅れたことになるが、会社があなたに望んでいることは「組織としてはそういうこともあるけど、あなたも会社にとって非常に必要な人材であることには変わりがない。しばらくがまんしてね」ということだ。

 そう思って「変わらずがんばれる人」、「同期の前に頭を垂れることをいとわない人」こそを、組織は求めているということを肝に命じたほうがいい。

5.部長以上の人事は運の占める割合が大きい

 部長以上の人事は、運の占める割合が大きい。部長になるぐらいだから、そもそも、みんなそれなりに仕事はできる。そこから先は、運に左右される割合が多いと思う。結局のところ、昇進のみを会社人生、組織での自己実現の尺度にしていると、最後に涙をのむ場合もあるかと思う。

 会社の意図をなるべく理解して、どんな環境であれ、自分が与えられた職務を淡々とこなす。そして、自分がもっとも大切にするものは何か、それを常に自分のなかで大きく育てていく。現代の会社で生きていくには、そういうことが必要なのかもしれない。

著者プロフィール:和田一郎

アンティーク・リサイクル着物を国内外へ販売する「ICHIROYA」代表。昭和34年生まれ。京都大学水産学科卒業後、大手百貨店に入社。家庭用品、販売促進部など。19年勤めたのち、2001年に自主退職して起業。現在に至る。趣味はブログ執筆。


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