引き継ぎ成功のカギは「チームの協力関係」――備えておきたい時間は「2週間」:ベストチーム・オブ・ザ・イヤー(2/2 ページ)
3月は引き継ぎの季節です。チームの状態と仕事の引き継ぎに焦点を当てた今回の調査では、引き継ぎがスムーズだった人の7割以上はチームの人間関係が「円滑である」、そうでなかった人の6割は「円滑ではない」と答えており、チームの状態が引き継ぎに影響があることが明らかになりました。
一番大切なのは「引き継ぐ人との時間の確保」
引き継ぎにおいて”一番大切なもの”を尋ねた質問では、49.1%の人が「引き継ぐ人との十分な時間の確保」と回答しました。次いで「分かりやすい文書」「現在の仕事と引き継ぐ仕事とのバランス」と続いています【図5】。
引き継ぎに関して思うことを聞いた自由回答では、文書やマニュアルに対するコメントについては一定数あるものの、チームや部内のコミュニケーションにおけるコメントが多数。特に、引き継ぎがスムーズでなかった人ほど、チームやコミュニケーションに関するコメントが多く見られました【表1】。
まとめ
2013年の調査では「誰が読んでも分かる業務マニュアル」の必要性が明確に表れましたが、今回の調査では、文書やマニュアルについての必要性は変わらずあるものの、実際の引き継ぎには、日ごろからの情報共有や人間関係といったチームの体制や協力関係も大きく影響することが分かりました。
当調査では、当初、外資系企業と国内資企業で引き継ぎに関する差異が発生すると仮定し比較を試みましたが、引き継ぎ期間を含め、あらゆる設問において大きな差異は見られませんでした。
また「チーム」とは「目標が明確」で「個人の役割分担が明確」かつ「他チームとの境界が明瞭(役割が重複しない)」組織体のことを指しますが、まさにこれらの定義を満たしているチームほど引き継ぎに成功していることも明らかになりました。
チームワークの重要性はさまざまなところで言われますが、ビジネスパーソンに身近な「仕事の引き継ぎ」の場面においてもその重要性が浮き彫りになったと言えます。
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