「背中を見て育て」が若者を潰す!? ついやってしまうNG指導7つ(1/2 ページ)
新人研修において「仕事は先輩の背中を見て盗み、育つもの」という、無言の指導は通じません。やるべきことはきちんと言葉で伝え、行動に対してもこまめにフィードバックして、新人の不安を払しょくしてあげることが大事です。
「Woman type」とは
働く女性の仕事・キャリアと健康なカラダ作りを本音モードで考えるWebマガジン。
働く女の本音を暴くアンケート調査コラムや著名な女性起業家へのキャリアインタビュー、女性タレントの生き方から人生論を学ぶライトなコラムまでデイリー更新でお届けしています。
ついこの間まで学生だった新卒社員が入社してくる新年度。先輩社員として、フレッシュな彼らの面倒を見てあげる機会もあるだろう。中には新卒社員の教育係に任命された、なんていう人もいるのでは? 知っていることは何でも教えてあげたいけれど、どう接し、どんな伝え方をしてあげたらいいのか不安を抱えている人も多いはず。
最近の新卒社員は不安感が強い? 払拭のカギは密なコミュニケーション
「希望に満ちた新卒社員というのは、少し前のイメージ。最近の新卒社員は希望よりも不安が大きく、『本当にこの会社でやっていけるだろうか?』という疑問が常に頭の中にある」と、企業における人材育成に詳しいシックス・スターズコンサルティング株式会社の原田由美子さんは話す。
また、最近では教師と生徒が密にコミュニケーションを取れるような対話型の教育が一般的になっており、新卒社員世代は1対1で丁寧に教えてもらうことに慣れている。
「だから『先輩の背中を見て仕事術を盗み、育ってほしい』という無言の指導は通じないと考えたほうがいいですね。やるべきことはきちんと言葉で伝え、行動に対してもこまめにフィードバックしてあげましょう。本当に困っていそうなときにしか手を貸さないという方法では、新卒社員の不安感はますます大きくなってしまいます」
自分が新卒時代に受けた指導が、残念ながらそのまま通じるわけではないようだ。そこで、先輩社員がついやってしまいがちな、新卒社員への誤った指導を教えてもらった。
NG指導その1:「優しい先輩キャラでいこう」→本来の自分とは違う人格を無理して演じる
キャラクターを作って接しても、ふとしたときに素の自分が出てしまうもの。そのギャップに新卒社員は戸惑ってしまう。そもそも、教育係は厳しくあるべきでも、優しくあるべきでもなく「あくまでも自分の素のキャラで対応することが基本」と原田さん。
「指導とはこうあるべきなどという『べき論』は考えなくていいんです。厳しくても優しくても構わないので、素の自分の姿のまま接することが大切。もし自分が厳しい人間だという自覚があるのなら、『余裕がないときにはものの言い方がキツくなるかもしれないけれど、あまり気にしないでね』などと、あらかじめ伝えておくといいでしょう」
また、男性と女性でコミュニケーションの濃淡を変えるなど、人によって接し方を変えるのも避けたい。基本的には、いつ、誰に対しても同じスタンスであることが大切だ。
NG指導その2:「まずはこれをやってくれればいいから」→仕事の全体感を伝えず、やるべき部分だけ教える
手順だけを伝えて「やってね」では、やる気も出ない。仕事の全体感からブレイクダウンして説明する一手間があるだけで、仕事の意義を理解し、主体的に取り組んでくれるもの。
「例えば経理の仕事なら『経営者が会社の現状を把握し、意思決定をするために必要な数字を明らかにするのが経理の仕事。だから、お金の動きをタイムリーに把握しなければならない。そのために、まずは伝票を整理し、入出金を明確にすることが基本になる。その基本の部分をお任せしたいから、こういう手順でやってね』といった具合です。仕事全体のどこの部分を任せたいのか、具体的に伝えるようにしましょう」
NG指導その3:「誤字脱字がここにも、あそこにも!」→つい細かいところばかりをチェックしてしまう
細かい気配りに長けている女性だからこそやってしまいがちなのが、ささいなミスのチェック。
「あまりにも細かいことばかりをチェックすると、新卒社員は萎縮してしまいます。まずはその仕事の出来や方向性、視点などの全体感を見るように心掛けましょう。その上で『誤字脱字があると会社としての信用を失うこともあるから気を付けて』などと、指摘すると良いですね」
関連記事
- 若者の「習っていません」発言に40代以上が「やる気がないのか?」と思うワケ
OJTで仕事を覚えた人が大半の40代以上は、若者が言う「習っていないから知らない」発言に受け身な印象を持ちます。一方で若者がそうした発言をするのには、ある社会要因が関係しているようです。 - 「ホウレンソウ」がしっかりできる新入社員になってもらうコツ
あの仕事、どうなってるんだろう――新入社員に仕事を任せたところ、自分のイメージとはかけ離れた仕上がりになっていたこと、ありませんか。「ホウレンソウ」ができるようになるコツを3つご紹介します。 - マッキンゼーは泥臭い――新人研修でたたき込まれる「Client interest first」
機能的なオフィスでスマートに仕事をこなす。そんなイメージがあるマッキンゼーですが、実際には、机の上の分析では得られない現場レベルでの情報収集が欠かせません。 - ゆとり世代を即戦力にする新人研修、決め手は”ゲーム感覚”
競争心がない、ハングリー精神がない――。そんな平成生まれの若手社員を夢中にさせる新人研修プログラムがある。スマホを使ってゲーム感覚で学べるのがポイントだ。 - 新人研修で身につける「学ぶ力」を最大化するために必要なこと
「学ぶ力」の差は時間の経過とともに能力に大きく影響します。研修やビジネスゲームなどの体験そのものはもちろんですが、その振り返りの仕方が重要です。
関連リンク
Copyright Career Design Center co.,ltd. All Rights Reserved