食事をごちそうして消費者のホンネを引き出すマッチングサービス「ゴチソー」:仕事で使えるWebサービス(1/2 ページ)
自社製品やサービスの利用者をカフェやレストランに集めて話を聞き、謝礼はサービス名のとおり“ゴチソー”するだけ。そんなカジュアルなやり方でユーザーのホンネは引き出せるのか?
消費者の生の声を聞きたい、それもできるだけカジュアルに――そんなニーズをかなえるクラウドサービスが「ゴチソー」だ。自社製品やサービスの利用者をカフェやレストランに集め、担当者が直接対話する機会をマッチングするというもの。集まってくれたユーザーへの謝礼は、サービス名のとおり“ゴチソー”するだけ。
そんなにカジュアルなやり方で、グループインタビューのような定性的なデータが取れるのか。取材してみると「むしろ気楽に集まってもらえるからこそ、消費者のホンネを引き出せる」と大手企業の評価も高い。ゴチソーのメリットとデメリットを聞いた。
そもそもゴチソーとはどんなサービスか?
ゴチソー会員向けにグループインタビューを実施する場合、基本的にゴチソーが提供するのは募集情報のWebサイトでの掲載と会員への告知だけ。募集原稿の作成や応募者の選定と連絡、会場の手配、当日の進行などは利用企業自身が行うセルフ型のクラウドサービスだ。
ゴチソーのメリットの1つは、実施費用が圧倒的に安くなること。開催1回当たり(募集5人まで)の利用料金は6万5000円(「セルフ」プラン)。創業3年以内、従業員数が10人未満のベンチャー企業の場合は利用料金が無料となる「スタートアップ」プランも提供する。あとは、参加者への謝礼に当たるカフェやレストランでの実費を支払えばいい。
ゴチソーを運営する凸の長谷川秀樹社長によれば、一般的なグループインタビューと比べて実施コストを最大で10分の1程度にまで下げられるという。セルフで行う部分の手間や工数を削減したいと思えば、ゴチソーのスタッフに委託することも可能だ。
その場合でも、会場の手配や当日の進行をゴチソースタッフに任せる「サポート」プランが12万5000円、募集原稿の作成からすべてを任せる「フルサポート」プランでも19万5000円とコストメリットが高い(いずれも1回当たり募集5人までの場合)。
ゴチソーを使ったグループインタビューで、募集開始から開催までにかかる日数は最短8日、平均で20日前後。一般的なグループインタビューでは募集作業だけで2週間程度かかるうえ、コーディネーターが仲介するため企業の担当者は直接ユーザーと触れ合う機会はない。そのため実際にインタビューが始まると「参加者の反応が応募時のイメージと違った」というミスマッチも起こり得る。
ゴチソーの何よりのメリットは、集まったユーザーと企業の担当者が食事をとりながら会話する形式ゆえにユーザーの生の声を聞ける点だ。ユーザー側にしても普段使っている製品や気になっているサービスの“中の人”と話す機会を得られることから会話も弾む。あるIT企業では、サービス開始前のプロジェクトでゴチソーを利用し、集まったユーザーの意見を聞いて開発中止を決めた例もあったという。
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