「クリエイタータイプ」と「ノンクリエイタータイプ」:困っている人のための企画術(2/3 ページ)
私が知る限り、広告のクリエイターには大きく2つのタイプがあります。「クリエイタータイプ」と「ノンクリエイタータイプ」です。今回は持論ながら、双方の違いについて考えてみます。
クリエイターには大きく2つのタイプがある
格好付けてるのかもしれませんが、私たちの職種は「クリエイター」と呼ばれたり、自分で名乗ったりします。私が見る限り、広告のクリエイターには2つのタイプがあります。「クリエイタータイプ」のクリエイターと、「ノンクリエイタータイプ」のクリエイターに分かれると思います。
「クリエイタータイプ」とは、表現したいことがもともと自分の中にあるタイプ。たぶん小さいころから、何かを表現したり創ったり――、ということに興味や才能があり、その延長線上で広告の仕事を選んだんでしょう。
で、もともと自分の中にある表現したい何かと、そのときの広告する商品とをうまく結びつけて企画を考えていく。こういうタイプの人たちは、普段からノートにアイデアのネタみたいなものを書き留めていたり、映画や小説などに影響を受け、「こういう感じのものをやりたいんだ」というところから企画に入ったりすることも少なくないようです。
一方、「ノンクリエイタータイプ」とは、いわば受注体質のクリエイター。最初から自分の中に表現したい何かがあるとかではなくて、あくまでも、仕事を頼まれてから考えはじめるというタイプ。私は、典型的にこのタイプです。
ですから、先に書いたとおり、広告のオリエンテーションを受けると、その商品が人の人生とどう関係するか、というものすごくオーソドックスなところからコツコツと考えはじめて、その商品の存在理由をCMの形でどう表現すればいいか、ということを考えていきます。
「クリエイタータイプ」の人たちは、もともとあった自分がやりたいと思っていた表現と広告する商品とを、いわば強引に結びつける、という企画法になりますから、表現にジャンプがあるわけですね。
だから、表現と商品の間に距離があればあるほど、斬新で、誰も想像もできなかったような企画ができたりする。そしてうまくいけば、世の中の人々が度肝を抜かれるようなCMになる。
また、表現が、そのクリエイターの内側から生まれてきているものであるだけに、CMにその人らしい作風みたいなものが出る。広告界には、「多田さんっぽいCM」とか、「山崎さんっぽいCM」とか、「澤本さんっぽいCM」みたいな言い方をされる。はっきりとした作風をもったプランナーの方が何人かいて、みなさん一流のクリエイターとして高く評価されています。
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