中間申告と年末の資金繰りへの準備を――10月の事務ごよみ【経理・税務】:事務ごよみ
「年末にかけての資金需要と資金繰りのチェック」「納税が必要な中間申告への準備」「税務調査への対応」など、経理部門が10月中に処理しておきたいトピックをまとめました。
月刊誌「企業実務」とは
「企業実務」は、経理・総務・人事部門の抱える課題を解決する月刊誌。仕事をすすめるうえで必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確に、わかりやすく、タイムリーにお届けします。1962年の創刊以来、理論より実践を重んじ、“すぐに役立つ専門誌”として事務部門の業務を全面的にバックアップ。定期購読はこちら。
本記事は企業実務のコンテンツ「事務ごよみ」から一部抜粋・編集して掲載しています。
下半期の重要課題への取り組み
3月決算法人では、10月から下半期に入ります。
上半期の業績をチェックし、年度収支計画の進捗(しんちょく)状況を確認します。課題が浮かび上がっていたり、見直しが必要な事項については、早急に対策を検討しましょう。
年末にかけての資金需要と資金繰りのチェック
これから年末にかけては、大きな資金需要(年末商戦用の在庫の積み増しと販売促進、賞与の支払いなど)が発生し、接待や贈答関係の小口の諸経費も増える時期です。
3月決済法人の場合、中間納税用の資金も必要になります。
これらの資金需要については、例年の実績や下半期の売上計画・利益計画を勘案し、他部署の協力も得ながら、その内容と資金手当ての方法を綿密にチェックします。
検討の結果、新たに借り入れが必要となる場合は、早めに取引金融機関に働きかけることが大切です。
3月決算法人の中間申告の準備
3月決算で中間申告が必要な法人は、11月の決算応当日までに中間申告と納税を行います。
法人税の中間申告には、前事業年度の申告額の半分を納付する予定納税と、半年間を1事業年度とみなして仮決算を行い、納付税額を算出・納付する方法があります。ただし、仮決算した場合の法人税額が前期基準額(前事業年度の確定法人税額の2分の1)を超える場合は、予定納税による方法に限られています。
販促費用の支出
秋の行楽シーズンから年末に向けては商戦が活発化し、さまざまな販促企画も実施されます。通常、経理部門がこうした販促企画に直接的に関わることは少ないと思われますが、営業部門に資金面や節税面のアドバイスをするなど側面から支援しましょう。
税務調査への対応
税務当局は7月から新しい事務年度に入り、秋口から税務調査が本格化するため、10月は1年の中でも調査の多い時期といえます。
最近の実地調査は、赤字あるいは繰越欠損金があることにより申告所得がゼロである「無所得申告法人」に対しても積極的に行われています。
業績にかかわらず、いつ税務調査を受けても対応できるように、証拠資料などを整備しておきましょう。
関連記事
- 経費は年末に増やせ! 個人事業主の節税対策【前編】
3月の確定申告に向けてそろそろ準備を始める時期となった。節税の第一歩は、自分の納税額がどのように計算されるのかを知ることだ。年末までにできる節税対策を考えてみよう。 - 経費は年末に増やせ! 個人事業主の節税対策【後編】
個人事業主が経費を増やすと、納税額がどれだけ減るのかを実際に計算してみよう。またガッツリと節税効果が表れる各種控除を改めて整理してみよう。 - 経費を“増やす”方法――個人事業主向けの節税対策を考える
前回まではサラリーマンの人に向けて年末調整の書き方を紹介したが、今回は個人事業主として独立したばかりの人、あるいは近いうちに独立を考えている人に向けて節税方法を紹介したい。ポイントは経費を増やすことだ。 - 年末、年度末までの資金繰り計画や収支計画の見直しは9月中に――9月の事務ごよみ【経理・税務】
「期央での収支計画の見直し」「被災時の優遇税制の確認」「年末、年度末までの資金繰り計画」など、経理部門が9月中に処理しておきたいトピックをまとめました。 - 「あらゆる領収書を経費で落とす」ためには、重要な「条件」がある!
知っているようで知らない、フリーランスのための「節税」のカギ。領収書、レシートを経費で落とすコツを具体的に教えます。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.