小さな会社を10年やってきて学んだ5つのこと:ICHIROYAのブログ(1/2 ページ)
マーケットの変化や社内外の人間関係といった仕事を取り巻く状況について、起業したからこそ、よりリアルな経験を紹介。会社勤めをしている人にも、思い当たるふしがあるのではないだろうか。
僕の会社の名前は「ICHIROYA」という。変な名前であることは認識している。僕が海外に向けて着物を売り始めたころ、ちょうどイチロー選手がマリナーズで活躍を始めて大きな話題になっていた。それで、「イチロー」という言葉を社名の一部に入れれば、「日本人がやっている何かだな」と思ってもらえて分かりやすいのではないかと思い、そういう名前にした。
2003年11月に会社にしたとき、将来のことを考えて、もうちょっと国内マーケットにも親しみやすい名前にしようかとも思ったけれど、結局そのままローマ字で「ICHIROYA」として登記した。
会社にしてから、10年半が経った。その間に学べた、会社勤めをしていたころは知らなかったが、起業してから痛感したいくつかのことを紹介してみたい。
1.売れていても状況はあっという間に反転する
売れるやり方、売れるアイテム、買ってもらえる顧客を見つけて順調に売上を伸ばしても、その状況はあっという間に反転する。大企業とは異なり、小さな会社の場合は落下の速度が急である。競争の少ないマーケット、いわゆる「ブルーオーシャン」を見つけたと思っても、すぐに競合が参入してきて「レッドオーシャン」と化す。そのスピードは想像していたよりずっと早い。
僕の実感としては、1〜2年だ。また、“下げ止まらない”のも特徴だ。常に次の手を考えておかないと、レッドオーシャン化したマーケットで右往左往しているうちに、憤死してしまう。
2.小さなマーケットでは顔の見える相手との死闘もある
できれば、あまり誰かと争いたくない。でも、小さなマーケットでは“死闘”を演じるのもやむを得ないことがある。
遠くにいてあまり知らない相手なら、戦うのに気楽な面があるものだが、すぐ近くにいる“ニコニコした愛すべきオニイチャン”相手に、死闘を繰り広げざるを得ない場合がある。“その餌”を勝ち取らなければ、自分はともかく、“自分の巣で待っているヒナたちに持って帰るものがない”というような状況である。
相手の顔が見えるだけに心苦しい戦いになる。約10年経っても、僕はいまだにこの手の戦いが辛く、慣れない。
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