国税庁、マイナンバー制度の番号指定や通知についての詳細を公表:新法令・通達解説
国民一人一人に割り当てられる「社会保障・税番号制度」、通称マイナンバー制度。個人だけでなく、法人版も平成28年(2016年)1月に始まる。指定した法人番号や行うべき手続きなどについて紹介する。
月刊誌「企業実務」とは
「企業実務」は、経理・総務・人事部門の抱える課題を解決する月刊誌。仕事をすすめるうえで必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確に、わかりやすく、タイムリーにお届けします。1962年の創刊以来、理論より実践を重んじ、“すぐに役立つ専門誌”として事務部門の業務を全面的にバックアップ。定期購読はこちら。
本記事は企業実務のコンテンツ「事務ごよみ」から一部抜粋・編集して掲載しています。
平成28年1月から利用が始まるマイナンバー制度について、法人番号の指定、通知、公表などの詳細が規定されました。
マイナンバー制度では、国税庁が利用開始に先立って法人番号を指定し、平成27年10月に法人に通知します。
国税庁では、通知後、速やかに法人の商号・名称、本店・主たる事務所の所在地、法人番号をインターネットなどにより広く一般に公開することになっています。今回の省令は、これら一連の手続きを定めたものです。
以下、主なポイントを紹介します。
- 法人番号の構成関係
法人番号を構成する1ケタの検査用数字を算出する方法や設立登記法人以外の者の基礎番号の算出方法(設立登記法人の法人番号は、商業登記法に基づく12ケタの会社法人等番号の前に1ケタの検査用数字を加えた番号となる) - 通知書の記載事項
法人番号を通知する書面の記載事項- 法人番号を指定したこと、その年月日
- 指定した法人番号
- 法人番号の指定を受けた者の商号・名称、本店または主たる事務所の所在地・その他必要と認める事項
- 法人番号の指定を受けるための届出事項
法人以外の団体等について法人番号の指定を受けるための届出手続き- 設立年月日
- 国内に本店や主たる事務所を有しないものにあっては国内での事務所または営業所の所在地、開設年月日
- 変更の届出書の記載事項等
届出事項に変更があった際に提出する届出書の記載事項 - 変更があった事実の確認
法人番号保有者の公表事項に変更があった場合に、その事実を確認する方法 - 公表事項に加える事由
公表事項に加えて公表する事由やその事由の生じた事実の確認方法 - 公表の同意
人格のない社団等が公表の同意をする場合の手続きなお、この省令は、平成27年1月1日から施行されます。
その他の新法令通達
金融商品取引業者の禁止事項の追加
金融商品取引業者における禁止行為に、デリバティブ取引に関する一定の行為が追加されました。施行日は、平成26年9月1日です。(平成26・8・6政令第二七四号=金融商品取引法施行令の一部を改正する政令)
介護サービス事業者等に関する手続きの変更
介護サービス事業者等による介護給付費の請求方法が一部変更されました。施行日は、平成26年8月15日です。(平成26・8・15厚生労働省令第九八号=介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する省令の一部を改正する省令)
著作権法施行令の一部が改正
著作権法の改正に伴い、出版権関連の規定整備が行なわれました。施行日は、平成27年1月1日です。(平成26・8・20政令第二八五号=著作権法施行令の一部を改正する政令)
保険仲立人の保証額を緩和
保険業法における保険仲立人に義務付けられる保証金の最低金額が4000万円から2000万円に引き下げられました。施行日は、平成26年8月29日です。(平成26・8・20政令第二八七号=保険業法施行令の一部を改正する政令)
表示義務の対象物の追加
労働安全衛生法による名称等の表示の対象となる物質として、一定の化学物質が追加されました。施行日は、平成26年11月1日です。(平成26・8・20政令第二八八号=労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令)
法人課税関係の書式の変更
平成26年度の税制改正の施行に伴い、「異動届出書」等、法人課税関係の書式の一部が変更されました。(平成26・8・21国税庁課法4―8、課総2―14、官参7―75、徴管2―26、査調2―19、平成26年6月26日付=「法人課税関係の申請、届出等の様式の制定について」の一部改正について)
国民年金保険料の一部手続き簡素化
国民年金法の保険料免除申請の際の所定の手続きが簡素化されました。施行日は、一部を除いて平成26年10月1日です。(平成26・8・29厚生労働省令第一〇二号=国民年金法施行規則の一部を改正する省令)
関連記事
- 国民統一番号制って必要なんじゃない
国民ひとりひとりに番号を与え、個人情報を管理しやすくする国民統一番号制。「国家による国民管理につながる」として反対する人も多いですが、ちきりんさんはそのデメリットより行政上、財政上の合理化メリットなどの方がはるかに大きいと主張します。 - 民間企業における「マイナンバー」対応の具体的な内容と注意点(前編)
2015年10月から「番号制度(マイナンバー)」が始まります。今回からは一般的な民間企業を対象に、マイナンバー導入に向けた具体的な対応内容と注意点について説明します。 - 年賀状や歳暮の手配、各種申請のチェックリスト作成を――11月の事務ごよみ【総務・法務】
営業に渡すカレンダーや手帳の手配、印刷に時間のかかる年賀状の準備、火災予防週間への備えや各種申請のチェックリスト作成など、総務・法務部門が11月に処理しておきたいトピックをまとめました。 - 進む民法見直し作業――社会・経済の変化への対応を図る
制定から100年。政府は契約や債務など経済にかかわる民法の見直しを進めている。今後、企業が注意すべき点をまとめた。 - 時代に合った働き方ができる人材育成を――職業能力開発促進法、見直しの狙い
人手不足が深刻化するなか、厚生労働省が“時代に合った働き方”ができる人材の育成に乗り出す。厚労省が今後の職業能力開発について、どんな方針で検討を進めているかをまとめた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.