深く考えずやってみる:「のび太」という生きかた(1/2 ページ)
仕事でも勉強でも、苦手意識の強い課題には尻込みするものです。あまりくよくよ考えず、がむしゃらに取り組んでみるのもひとつの方法です。
連載:「のび太」という生きかた
この連載は書籍『ポケット版「のび太」という生きかた』(アスコム)から抜粋、再編集したものです。
勉強も運動も苦手でぐうたらしてばかりののび太。でも、映画版で大活躍し、しずかちゃんと結婚し――、実は人生の成功者だったのです。そんなのび太から、無理せずに自分らしく生きて夢まで叶えてしまう方法を学んでみませんか?
本書では、のび太から学べる人生の成功法則を「のび太メソッド」と提唱し、全部で37つ紹介しています。
・完璧をいきなり目指さない
・かっこいい自分を想像する
・直感で判断。とにかく動き出す
・夢は叶うと信じ切る
・自分より、まず他人の幸せを望む・「愛する存在」で心を強くする
など。
この「のび太メソッド」は、どんなダメな奴でも夢が叶う魔法の法則です。みなさんの人生にも役立つヒントがたくさん詰まった1冊です。
やる気が出ない→深く考えずやってみる
健康管理や部活でいい成績を残すために、もっと運動しよう! でも、気分が乗らなくて、チャレンジに失敗……。そんな経験も一度はあると思います。仕事や勉強にしても、苦手意識の強い課題になかなか取り組めないことは少なくありません。
のび太はまだ小学生で、仕事についてのストーリーはありませんので、運動にまつわる作品を例に考えてみましょう。のび太はみなさんよりもはるかに運動オンチなので、やる気が出ないことがかなり多いようです。
「SLえんとつ」
明日の校内マラソン大会に備えて、ジャイアン、スネ夫、しずちゃんが町内でランニングをしています。でものび太は、ゴロンと横になってテレビを見ています。ドラえもんが、のんびりしているのはのび太だけだと言うと、のび太は「トレーニングなんかしてもしなくても、ぼくがビリにきまってる。むだなことしない主義なんだ」と答え、ドラえもんをがっかりさせます。
のび太が見るテレビの画面では、SLが勢いよく走っています。のび太はSLが大好きです。ドラえもんは「人間は自分が持っていないものに、強くあこがれるものさ。いかにも男性的でたくましくて、力強くてダイナミックで、エネルギッシュでスピード感にあふれていて、まるっきりきみと正反対だもんね」と告げます。のび太は相当ショックを受けたらしくしゃがみ込み、しばらくの間立ち上がることができませんでした。
言い過ぎたことに反省したドラえもんは、ひみつ道具「SLえんとつ」を出します。この道具をかぶれば、SLのように力強くたくましくなれます。
早速のび太は、ジャイアンとスネ夫、しずちゃんに町内マラソンの競争を提案してみました。のび太はエネルギーに満ちあふれ、ジャイアンやスネ夫をまったく問題にしないくらいのダントツの速さでゴールを駆け抜けました。のび太は、明日のマラソン大会に優勝できるのではないかとニンマリしました。
家に帰ってもエネルギーがまだ余っていたので、勉強にも力を入れてみることに。部屋で勉強していると、煙が家の中に充満してきたので少し窓を開けました。しばらくすると近所の人々から、「煙のせいで洗たく物がススだらけ」「部屋の中までまっ黒け」「2度とあんなもの使わないでくれ」といった抗議が殺到。
ドラえもんが「時代の流れだなあ、やはりSLは消えてゆくのか……」とうと、のび太は「あすのマラソンどうなるの? リニアモーターカーのえんとつをかして!!」とドラえもんに泣きつくのでした。『ドラえもん(33)(てんとう虫コミックス)』小学館 より
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