もう怒らない、もう愚痴らない:書くだけで人生がうまくいく嫌なことノート(2/2 ページ)
ノートに「嫌なこと」を書き出してみると、いろいろな気付きがあります。そして、そこから何を学び何をすべきか、前向きな思考が生まれてきます。その結果、愚痴もイライラもなくなっていくのです。
怒りは無駄なエネルギーを浪費する
怒りの感情をコントロールするのにも「嫌なことノート」は役立ちます。
怒りは、その原因になる「嫌なこと」をネガティブにとらえることで起こる感情です。でもそれは、セルフコントロールのできない人がやることです。
できる人は違います。嫌なことを、自分を成長させてくれるヒントだと思うことで、怒るどころか、むしろ「ありがとう」と言えるほどの余裕があります。
心理学者の名越康文さんは、「僕が臨床的にみて確信するのは、人間が最もエネルギーを浪費するのは感情的になったとき」で、「感情的になることは、要するに怒りの感情を持ってしまう」ことだと語っています。つまり、「嫌なこと」に過剰に反応するのは肉体的にも精神的にもよくないということ。「嫌なことノート」を書くようになると、エネルギーの浪費を抑えるようになります。
嫌なことがあった瞬間は、イラッとしたり、ムッとしたりすることはありますが、「貴重なヒントをありがとう」と思えたら、もう怒ることはありません。
また、「嫌なこと」を意識するようになると、自分だけではなく、ほかの人にも「嫌なこと」がたくさん起きていることに気が付きます。さらに、誰もが完璧でないことも分かり、人にも自分にもやさしくなれるのです。
アルボムッレ・スマナサーラは著書『怒らないこと』の中で「自分は完全ではないし、他人にも決っして完全な結果を求めない」という思考が、この世の中で我々が落ち着いて生きていられる秘けつだと語っています。
また、詩人ゲーテは、「人間の最大の罪は不機嫌である」と言っています。一度限りの人生を「不機嫌」に支配されるのは、とてももったいないこと。
「一朝の忿(いかり)に其の身を忘れ、以て其の親に及ぼすは、惑いに非ずや」。
一時的な怒りで行動すると、迷惑するのは自分だけではないのです。
「嫌なこと」に注目して、怒りや愚痴など、負の感情をコントロールすれば、自分の人生がもっと幸せになるはずです。
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