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2006/01/25 22:12 更新


VoIPにも強いメッシュ型無線LAN、米Strixが本格投入

米Strix Systemsはメッシュ型無線LAN製品「Access/One Network System」を802.11jに対応させ、日本市場での販売を本格化する。

 米Strix Systemsは、同社のメッシュ型無線LAN製品「Access/One Network System」を802.11j標準に対応させ、日本市場での販売を本格化する。

 メッシュ型無線LANは、より広い範囲を無線LANでカバーするために編み出されたテクノロジだ。従来の無線LANでは、アクセスポイントをイーサネットやブロードバンド回線に接続する必要があったが、メッシュ型無線LANでは、アクセスポイントどうしのバックボーン接続も無線LANで実現する。このため、どこか1つのアクセスポイントさえ有線のネットワークに接続していればいい。

 既にNortel Networksなどいくつかのネットワーク機器ベンダーが、このメッシュ型無線LAN製品を開発、提供している。Strixもそうした企業の1つだ。

 Strixのマーケティング担当バイスプレジデント、ナン・チェン氏は、複数のチャネルを同時に利用できるため、アクセスポイントで中継を重ねてもスループットの低下が少ない点が同社製品の特徴だとした。このため「VoIPや画像などのリアルタイムアプリケーションの伝送に適している」(同氏)という。

 また、IEEEが2004年12月に標準化した日本向けの規格、802.11jにも対応した。この結果、メッシュネットワークのバックボーンに802.11a/jを、各アクセスポイントとクライアントの間の通信には802.11b/gを利用し、柔軟にネットワークを構成できる。5GHz帯の利用に関する総務省の規制が緩和されたことも追い風になるとした。

 Access/Oneは重箱型のモジュール形式を採用している。このため、ベースモジュールとアンテナモジュールに、必要な無線モジュールを組み合わせることで、容易に拡張を行えるとチェン氏は述べた。WiMAX(IEEE802.16e)をはじめとする新たな規格へも、準備が整い次第対応していくという。

Access/One

Access/Oneはちょうど重箱のような形で、モジュールの追加によって拡張が可能だ

 セキュリティ面では、WPAや802.11iといった標準をサポートするほか、バックボーン部分はAESで暗号化をかけることで盗聴を防ぐ仕組みだ。アクセスポイントのどれかに故障が生じた場合には、経路の再ルーティングを行い通信を継続させるという。また、各アクセスポイントの設定や状態を確認できるWebベースの管理インタフェースも提供される。

 チェン氏によるとAccess/Oneは、米アリゾナ州テンペ市の公共サービスやホンダ中国工場といった海外で導入されているだけでなく、国内でも採用例があるという。宮崎県のフェニックス・シーガイア・リゾートにおけるモバイルIPセントレックス実験、「Wi-FI Resort Seagaia」プロジェクトがその1つで、日立電線のワイヤレスIP電話機「WirelessIP5000」を結ぶメッシュ型無線LANのインフラとしてAccess/Oneが利用されているという。

 チェン氏は、メッシュ型無線LANによってユーザーの生産性向上という効果が見込めるだけでなく、「たとえば救急車と病院を結んでリアルタイムに情報を送ったり、ガスなどのメーターから常に利用状況を監視ネットワークに送信するなど、さまざまな活用法が考えられる」とした。

 802.11j対応のAccess/Oneは、現在JATEの認定待ちの状態。順調にいけば2月中に出荷される見込みだ。価格は、屋内用の場合はメッシュネットワークの核となるノードは30万円程度、それ以外のノードは15万円程度。屋外用では50万円からという。オフィスのほか、工場/倉庫といったロジスティック関連施設、Webカメラを用いた監視ネットワークといった用途向けに、ソリトンシステムズやネットワークバリューコンポネンツといった代理店を通じて販売していく。

[高橋睦美,ITmedia]

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