Research In Motion(RIM)は2月9日、NTPと争っている特許訴訟で米国でのBlackBerry利用・販売禁止命令が言い渡された場合に備え、ソフトアップデートを使った迂回措置を公表した。
RIMでは緊急対策用ソフト「BlackBerry Multi-Mode Edition」を開発し、問題となっているNTP特許を迂回するためBlackBerryのメッセージ配信システムに手を加えた。既にテストも実施し、この設計に関する特許も米特許商標庁に出願したという。
Multi-Mode Editionソフトは事前にBlackBerryユーザーにダウンロードしてもらった上で、RIMがネットワークオペレーションセンター(NOC)を通じてリモートから切り替えを行う。禁止命令が出なければ、現状の「標準モード」のまま継続。もしも禁止命令が出れば、RIMがNOCを通じて「USモード」を起動し、自動的に迂回設計に切り替える。
迂回措置が取られたとしてもユーザーの目には見えない形となり、システム管理者やネットワーク運営者もこれまでと同じようにサービスを継続できるという。
Multi-Mode Editionソフトは、特設サイトを通じて近くダウンロード提供を開始する。新しいBlackBerryとサーバソフトには出荷前にプリインストールする。ただ、まだ禁止命令が出たわけではなく、現時点で顧客が行動を起こす必要はないとRIMは強調している。
RIMとNTPの訴訟では、禁止命令の是非に関する審問が2月24日に予定されている。両社の間では禁止命令回避を目指して和解交渉が行われているが、RIMは「NTPが公に提案しているライセンス条件は論外だ」と述べており、両社の隔たりは大きいようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング