CATV業界にもワイヤレスの波CATV対応のマンションでも,インターネットサービスは「不可」というケースがよくある。これを解決する手段の1つが,無線LANだ。
ケーブルTVインターネットの普及を阻害する要因として,集合住宅に多い片方向システムがある。インターネット接続サービスを提供するためには,全世帯分のアンプとフィルタを交換する双方向化工事が必要になるが,工事に伴うコスト負担が導入を阻害しているというものだ(7月16日の記事を参照)。これを無線LANの導入で解決しようとする動きが出てきた。 例えば,アンテナで有名なマスプロ電工は,「WIRELESS JAPAN」の同社ブースで無線アクセスポイント付きのケーブルモデム「WL77CMC」を展示している。WL77CMCは,IEEE 802.11bとDOCSIS 1.0に準拠。無線LANアンテナの「WLA24D4」と合わせてマンションの屋上などに設置し,各世帯のベランダに平面アンテナ「WLA24F9」を置けば,煩雑な双方向化工事なしでインターネット接続が可能になる。WLA24D4は180度の指向性を持ち,1本のアンテナで約33メートル幅までの建物に対応できるという。
一方,昭和電線電纜ブースでは,独自の通信方式を採用した集合住宅向け無線アクセスシステム「SKYFISH」を展示している。SKYFISHは,使用する周波数帯が2.4GHz,伝送速度は最大11Mbpsと,仕様上はIEEE 802.11bに似ているものの,IEEE 802.11bで指摘されている「隠れ端末問題」(障害物のために,通信範囲内にいるはずの端末と通信できなかったり,逆にいないはずの端末からの送信要求によって干渉が生じてしまう問題)や「遠近問題」(近い端末の電波が遠い端末の電波に干渉する問題)を,時分割のポーリング制御(端末ごと,規則的にデータの送信要求を確認する)によって解消している点が特徴だ。独自プロトコルの採用により,セキュリティ機能も高めている。 同社によると,1年ほど前から愛知県のCATV事業者「キャッチネットワーク」と合同で実証実験を行っており,9月ごろには導入が開始されるという。また,ほかのCATV事業者に対しても営業活動を開始する予定だ。
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