Review:お買い得だが難点もある「GateLock X200」(1/2)トレンドマイクロの家庭用セキュリティボックス「GateLock X200」試用してみた。セットアップの容易さ,スループットなど評価できる点は多いが,物足りなく感じる部分もある。
先日,トレンドマイクロが発表したブロードバンドセキュリティボックス「GateLock X200」試用してみた。GateLockはIPシェアリング機能を持つブロードバンドルータとして機能しつつ,パケットを監視することでファイアウォールとウイルス対策の機能を備えたセキュリティゲートウェイである。 こうしたゲートウェイ製品は,これまでもいくつかの製品が存在したが,いずれも企業向けであり,価格的にも個人が購入できる製品としてはGateLockが初めての製品だ。単にファイアウォール機能だけを組み合わせた製品であれば,他社製品にも簡易ファイアウォール機能をうたうものはあるが,ウイルス対策機能も含まれているところに,トレンドマイクロとしてのアイデンティティがある。 なお,本製品は発表レポートにもあるように,試験販売は決定しているものの,正式な価格やサポート期間(本体価格に1年間のアップデートサポートが付属する)を過ぎてからの追加サポート料金などについては未定だ。また,試用した製品は英語版であることを付記しておく。 高速ルータとしても評価できるスループット既に述べたように,GateLockはユーザーから見るとブロードバンドルータとして機能する製品だ。いくら安全性が高いと説明されても,ルータとしての機能や性能が劣っていると,「では使いましょう」とはなかなか思ってくれないのが一般消費者である。 なにしろ,今や1万円も出せば7Mbps程度のスループットを持つブロードバンドルータが買えてしまう時代だ。しかも,IPシェアリングを用いても,できる限りのアプリケーションが動作するように,新しいアプリケーションに対するパッチを出したり,個人向けには過剰とも思えるほどの機能を与えている。 結論から言えば,GateLockは一般的なブロードバンドルータとして見た場合も,不満の少ない仕上がりになっている。セットアップは簡単だ。まずPPPoEによる接続なのか,あるいはWAN側のIPアドレスを固定で割り当てるのか,DHCPでIPアドレスを取得するのかを選択する。そして,SMTPサーバ,警告などのメールを送信するためのメールアドレス,そして侵入者の検出とソフトウェアのアップデートをメールで知らせるかを指定し,固定IPアドレスならばそのアドレスを,PPPoE接続ならばログインに必要な情報を打ち込めば,あちこちに分散した設定を行うことなく,セットアップが完了してしまう。
またMSN Messenger(Windows Messenger),Real Audio,DirectPlay(LAN内の1台のみ利用可能),ICQ99,ICQ2000,ftp,NetMeeting(音声や動画通信は不可),PPTP(WANからのアクセスは不可),IRCといったアプリケーションには標準でプロトコルの状態を保持する機能があり,特に設定を変更することなく利用できる。 また,特定ポートへのアクセスをフォワードする機能,特定ホストからのアクセスをリジェクト,あるいはドロップ(無視)する設定も可能だ。
高機能なブロードバンドルータのように,なんでもかんでも設定できる,というわけではない。しかし,トレンドマイクロは順次メジャーなアプリケーションは,プロトコル状態の保持ができるようにアップデートをかけていくと話しており,一般的な利用には全く問題がない。 またスループットに関しても,LAN間でftpとhttpによる転送テストを行ってみたところ,ウイルス対策機能やファイアウォールをオンにした状態でも,おおむね15Mbps弱の速度が出ている。唯一遅いのがhttpの通信に対してウイルスチェックをオンにした場合だが,この場合も約3.6Mbpsの速度が出た。 GateLock内部でウイルス検出などの処理を行っていることを考えれば,悪くない数字ではないだろうか。ハードウェアの構成は,LAN側,WAN側ともに10/100Mbps自動切り替えで,Linux 2.4ベースで開発されたファームウェアを133MHzのMIPSベースプロセッサで処理する。ファームウェアとパターンファイルの保存用に16MバイトのフラッシュROM,32Mバイトのメモリが搭載されている。ハードウェアの性能だけで見れば,試験販売の1万5000円はなかなかお買い得だ。 モバイルショップ
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