有料配信にふみきった「MORRICH」の勝算は?

ブロードバンドコンテンツは試験サービスの段階を経て,徐々に有料化の方向に進んでいる。実際に有料配信に踏み切ったMORRICHに,そのビジネスモデルを聞いた。

【国内記事】 2001年12月5日更新

 ソニー・ミュージックグループのブロードバンドサイト「MORRICH」は12月1日から,有料映像コンテンツの配信を開始した。開始当初は音楽・アニメコンテンツが2つずつ,計4つの有料コンテンツが用意される。

 ソニー・ミュージックエンタテインメントのデジタルネットワークグループ,SME Network MORRICH 編成課プロデューサーの望月秀城氏にMORRICHの現状と見通しを聞いた。


MORRICHのページ(画面はアーティストの藤岡正明)

 望月氏は有料化の経緯について,「6月1日に無料プロモーションサイトとしてMORRICHを開始したが,当初からビジネスにしたいという思いはあった」と語る。

 「その後,ADSLの急速な普及もあって,社会的なインフラが整ったと判断した。こうしたサービスは早く始めるに越したことはないと考えている」

 今回用意されたコンテンツは,11月21日にデビューシングル「交差点」をリリースしたアーティスト・藤岡正明のプロモーションビデオ完全版や,SME・ビジュアルワークスによる未発売の新作アニメなど。音楽コンテンツは月2回,アニメ作品は2カ月に1回更新される予定だ。

 音楽コンテンツはいずれもソニーミュージックが原盤権を持ち,独自に撮影・編集した映像を付加するなどして1つのコンテンツにまとめたもの。アニメに関してはソニー・ミュージックエンタテインメントが100%出資する会社のコンテンツを使用しており,いずれも「制作されたコンテンツを販売・ディストリビュートする,という立場であり,現状では外部からコンテンツを買うことはしていない」(望月氏)という。

著作権管理や課金は「めどがついた」

 コンテンツ配信事業に必ずついてまわるのが,著作権管理や課金システムといった問題。望月氏はこれらについて,「めどがついた」と話す。

 MORRICHでは著作権管理について,WMT(Windows Media Technologies)のDRM(Digital Rights Management)技術を採用する。MicrosoftのDRM技術を使うため,再生プレーヤーはWindows Media Playerのみに対応している。

 課金システムには,ソニーコミュニケーションネットワークの提供する決済システム「Smash」を採用した。「コンテンツの性質上,中学生などでも比較的容易に利用できるインタフェースにしたかった」(同氏)ためで,同システムなら,購入の際,クレジットカード番号を入力しなくても,Smash会員のIDとパスワードを入力するだけで認証・決済ができる。

 この場合,So-net会員なら,代金引き落としには,So-net会員としてのクレジットカード口座が利用される。また,So-net会員以外でも,クレジットカード番号などの必要な情報を入力し,「こんてんつコース」会員に加入すれば,誰でもSmashシステムを利用できる。現在,約200万ユーザーが登録済みで,「音楽配信サイト『bitmusic』の実績もある」(同)という。

 コンテンツ配信に関しては,NTTコミュニケーションズがASPサービスとして展開する総合プラットフォーム「DRM WING」「Stream WING」のネットワークを利用する。

 現在のインターネットのインフラでは時間帯により,アクセスが困難になるケースもあるようだが「今後ブロードバンド化が進めば,解決されるものと考えている」と望月氏。「コンテンツが配信されないことで,一番不満なのは我々だ。はやくボトルネックが解消され,ユーザーによりよい環境になってほしい」と逆に要望していた。

来年3月までの売上目標は1000万〜1500万円

 有料配信の手ごたえについて,望月氏は「アーティストのファンサイトでは,画質を含めて好評のようだ」と話す。

 「プロモーションビデオはCATVなどでも放送しているが,自由な時間にオン・デマンドで視聴できるのがうちの強み。アニメにしても,発売前の作品を先行配信するといった試みを行っている。今後はMORRICHでしか見れない,さまざまなコンテンツを増やしたい」

 またMORRICHのユニークなユーザーインタフェースについても「操作でユーザーにとって分かりにくい面もあるかと思ったが,今のところそうした声は出ていないようだ」と自信を見せる。

 「われわれはが魅力あるコンテンツを提供すれば,自然に市場ができると考えている。コンテンツの側から業界をひっぱっていきたい」

 同サイトのアクセス数は,現在のところ20万アクセス。ソニー・ミュージックエンタテインメントでは売上の予測として,来年3月までには1000万〜1500万円を目標にあげている。

 コンテンツは1配信あたり500円から300円で,1000万円を売り上げるには2万〜3万件の利用が必要になってくる。MORRICHの有料配信事業が黒字化する時期については,今回はまだ明らかにされなかった。

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[杉浦正武,ITmedia]

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