NAI会長兼CEOのサムヌーク氏が会見,この1年で「セキュリティ意識は高まってきた」米ネットワークアソシエイツ(NAI)の会長兼CEO,ジョージ・サムヌーク氏が来日。サイバーテロの脅威から政府や民間のコンピュータシステムを守るためには,政府と民間との協力が重要だと語った。
日本ネットワークアソシエイツは12月11日,プライベートセミナー「NA World」を開催した。これに合わせて米ネットワークアソシエイツ(NAI)の会長兼CEO,ジョージ・サムヌーク氏が来日し,記者会見を行った。 同氏が現在の職に就任したのは今年1月のこと。昨今の厳しい経済環境にもかかわらず,ワームの蔓延によりセキュリティ対策が注目されたこともあって,NAIの業績は堅調に伸びているという。同氏の就任当時4ドルだった同社の株式は,現在では24ドルの値を付けている。 「今年はネットワークアソシエイツにとってはいい年だった。顧客とともに考え,製品を開発,提供してきたことが成功の要因だ。今後もこの成功は続くだろう」(サムヌーク氏)。 サムヌーク氏は会見の中で,特に,ウイルス対策製品の「McAfee」シリーズと,ネットワークアナライザの「Sniffer」について紹介した。それぞれ,現在のNAIの売上のうち66%,28%を占めるに至っているという。「こうした製品によって,顧客企業は自社ネットワークのセキュリティやアベイラビリティ,信頼性を高めることができる」と同氏は述べた。 といっても,これら2つの製品だけですべてのセキュリティ対策が実現できるわけではない。その点は同氏も承知しており,ウイルス検知/駆除に特化したアプライアンス製品「WebShield e500 Appliance」のほか,パーソナルファイアウォール製品,悪意あるコードを検出するためのSnifferフィルタ,そしてマネージドセキュリティサービス「McAfee ASaP」を合わせて提供していくとした。 サイバーテロ対策には教育が重要もはや言うまでもないことだが,ウイルスをはじめ,ITセキュリティに対する脅威は増大している。9月11日に米国で発生した連続テロ事件以降は,サイバーテロに対する懸念も高まってきた。 同氏自身,先週には業界10社の代表とともに,チェイニー米副大統領,アシュクロフト米司法長官,エバンス米商務長官などとの間でサイバーテロ対策に関する会談を持ったそうだ。「サイバーテロの脅威は現実のものになりつつある」(サムヌーク氏) こうしたサイバーテロの脅威から政府や民間のコンピュータシステムを守るためには,政府と民間との協力が重要だと同氏は語った。「重要なのはセキュリティに関する教育であり,ユーザーも経営者も,適切な(ツールの)使い方などを知る必要がある。システムを守るためには,組織全体での取り組みが不可欠だ」(サムヌーク氏) ワイヤレス機器のウイルス対策が次のトレンドさらに同氏は,今後のトレンドとして,携帯電話やPDAといったワイヤレス環境におけるウイルス対策が重要だと述べた。 「ワイヤレス機器をターゲットにしたウイルスはすぐそこまで来ている。しかし,ウイルス対策を施しているワイヤレス機器の割合は5%そこそこというのが現状で,大半で措置を取る必要がある」(サムヌーク氏) 同社は先に,PDA向けのウイルス対策ソフトウェア「McAfee VirusScan Wireless」を発表済みだが,これをまず日本で,次いで北米向けに提供していく方針だ。 サムヌーク氏は,今後もコンピュータセキュリティに対する投資は増え続けるだろうという調査結果も踏まえ,「2002年は,日本市場において少なくとも30%の成長を達成する見込みだ」と語った。 「度重なるウイルスの被害などを経験し,企業経営者のセキュリティに対する意識は高まってきた。現在では,企業のビジネスはコンピュータシステムなしには動かないが,ウイルスの被害によってシステムが止まり,業務に打撃を受けたという例もある。厳しい経済状況の中で,いかにシステムを動かし続けるかが命題になっている」(サムヌーク氏)と語り,ネットワークのアベイラビリティとセキュリティの重要性はますます高まるという見通しを示した。 関連記事 「ウイルス対策には適切な運用が不可欠」とする日本ネットワークアソシエイツ 関連リンク [高橋睦美,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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