進撃するイーサネット――来月には10GbE製品も続々登場

もはやイーサネットは,通信事業者の基幹ネットワークの主流。IEEEは10GbEを遅くとも6月までに標準化する見込みで,来月からは対応製品のリリースも相次ぐという。

【国内記事】 2002年2月20日更新

 ブロードバンド事業者の基幹ネットワークでは,イーサネットを採用する動きが主流だ。現状では完全にSONETATMをしのぐ勢いで,もうすぐIEEEによって10GbE(ギガビットイーサ)の仕様が標準化されることも追い風になる。

 エクストリーム ネットワークスのマーケティング ディレクタ,森茂人氏はIEEE802.3ae(=10GbEの仕様)について,「IEEEでは,今年3月に標準化する予定。遅くとも6月までには標準化される見込みだ」と話す。

 「市場でも来月,再来月ぐらいから10GbE対応製品が続々とリリースされるだろう。我々としても,来月からはいろいろと(製品の詳細について)皆さんに話ができるようになると思う」(同)


エクストリーム ネットワークスの森茂人氏(19日の「エクストリーム ソリューション セミナー」にて)

 10GbEでは1GbEと異なり,全二重通信(受信/送信を同時に行う)のみをサポートする見込み。ケーブルも銅線をサポートしておらず,光ファイバーのみの対応となる。

 また「WANの考え方を取り入れており,SONETとのコンパーチビリティを実現する」(森氏)のも特徴だ。これにより,これまでLAN的なシンプルなネットワーク構成をとるとされていたイーサネットが「WANにまで進出しつつある」(同)のだという。


1GbEと10GbE(ドラフト)の仕様の違い(クリックで拡大)

 イーサネットが事業者の基幹ネットワークとして支持された背景には,シンプルで柔軟なネットワーク構成が実現できることがある。加えて,SONETなどに比べると課題とされていた“ネットワークの信頼性”も,RPR(Resilient Packet Rings)などの技術の登場により,かなり改善されたという。

 RPRとは,リング構造のネットワークにおいて経路を瞬時に(50msec以内に)切り換え可能にする技術。輻輳が発生しそうになると,上流のネットワークに事態を通知する機能も備えている。「昔は,『イーサネットのスイッチなどキャリアには入れられませんよ』といわれたものだが……」と森氏は感慨深げ。

 RPRの仕様については現在,IEEE802.17として標準化が進められており,「ドラフトバージョンができあがっている。有力企業の間で対立もあるようだが,2003年3月には仕様が固まるのではないか」(森氏)とのこと。同氏はほかにも,EoMPLS(イーサネットオーバーMPLS)などの技術を例にあげながら,イーサネットはますます進展するだろうとの見方を示した。

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[杉浦正武,ITmedia]

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