その後のネットゲームカフェ――「目的はゲームばかりではない」?

昨年12月,渋谷にオープンしたネットゲームカフェ「Nesta」。オープンから4カ月が経過した今,同店の様子はどうなっているのだろうか?

【国内記事】 2002年3月12日更新

 12月1日,渋谷にインターネットゲームカフェ「Net Station/Nesta」(ネスタ)がオープンした(11月16日の記事参照)。環境4カ月が経過した今,店内の様子はどのようになっているか,探った。

 店を訪れたのは平日午後3時過ぎ。同店は,東急ハンズに隣接したビルの3,6,7,8階にある。エレベーターで6階受付に向かい,Nestaのドアを開けると,室内には高校生を中心に,7〜8人がPCに向かっていた。


店内の様子(記事とは別の機会に撮影)。各階で多少雰囲気は異なるものの,概ね静かにR&Bの音楽が流れている

 客はゲームをしている場合が大半だが,一部にWebを閲覧している客も見られる。音量を上げてプレイするユーザーはヘッドホンを装着しているようで,店全体としては静かな印象。ゲームセンターでの喧騒とは,様子が異なるようだ。

 メインの客層について受付のアルバイトに聞くと,「20代から30代の男性」との答え。ただし,店内にはリクルートスーツを着た女性の姿もあった。また,取材している間に「初めてなんですけど……」と,中学生とおぼしき2人連れが入ってきた。多様な客に利用されていることがうかがえる。

 客の中に1人,60歳前後と見られる婦人を見かけた。この婦人に話を聞くと,「実は普段イギリスに住んでいて,今回日本に来た」とのこと。

 「向こうで立ち上げているホームページ宛に届いたメールを,チェックするために立ち寄った。ロンドンにはこうしたブロードバンドカフェがたくさんあるけれど,日本にもあってくれて助かった」と話してくれた。

 客の滞在時間は1〜2時間のケースが多いとのこと。ちなみに,中には「5日ぐらい連続して滞在し,ゲームしていた」というマニアな客もいるようだ。

ゲーム以外に,テレビもDVDも

 カフェを運営するカレント・コミュニケーションズは,同店には現在,約3000人が会員登録していると話す。

 「広告に力を入れたほか,ゲーム大会を開催するなどして知名度を上げた。現在の来店者数は1日平均で70〜80人。多い日は120人という日もある」(カレント・コミュニケーションズ)。登録会員は,学生と社会人の比率がおよそ6:4。多くは大学生,フリーターだという。

 人気のあるソフトについては,やはりMMORPGのリネージュが頭1つ抜けているようだ。「リネージュは先日有料化して,プレイにWebMoneyが必要になった(サービス価格で30日1400円)。しかしここなら1時間300円で,飲み物がついて好きなだけリネージュをプレイできる。5時間以上リネージュをプレイすると,WebMoneyが当たるプレゼントサービスもある」(同)。

 もっとも,既に触れたとおり,客は必ずしもオンラインゲームを楽しむわけではない。「8階にはTVチューナー内蔵のPCを用意しているので,テレビ番組を視聴することもできる。またビデオ・DVD等の流通を手がけるレントラックジャパンと提携して,4月からDVDを視聴することも可能になった。極端な話,仮眠するために来ているお客もいる」(同)。



8階には「カップル用」と位置付けられたソファー席もある。棚には女性誌が並んでいる

 カレントコミュニケーションズは店内の雰囲気について,「リラックスしてもらえる空間にしたい」と強調する。

 「居心地さえよければ,中に入っているコンテンツは何でもいいのではないか。インターネットゲームカフェは,若年層を対象にした漫画喫茶とは違う。あくまで“カフェ”であり,24〜5歳のOLが1人で入れるような場所にしたい」(同)。

 Bフレッツの回線を2本,ADSL回線を5本引き込んだというブロードバンド環境も,同店にすれば補助的なもの。Nestaはオンラインゲームにこだわらない方針で,サービスを拡充している。

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▼ Net Stationのサイト

[杉浦正武,ITmedia]

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