日本テレコムがADSL網売却? の捨てきれない可能性一部新聞の「日本テレコムがイー・アクセスにADSL網を売却」という報道に対し,日本テレコムは「現時点では何も決まっていない」という公式見解を出した。しかし?
4月16日,一部新聞が「日本テレコムは自社のADSL網(J-DSL)をイー・アクセスに売却する方針を固めた」と報じた。これに対して日本テレコム側は「現時点では何も決まっていない」とコメント。しかし,その可能性を頭から否定することはできないようだ。 昨年2月にADSLサービスの本格展開を開始した日本テレコムは,現在では全国840のNTT収容局に展開し,約18万人のユーザーを獲得している。しかし,8Mbps対応の設備を導入したのは169局にとどまり,回線卸売り事業もふるわない。一方のイー・アクセスは,全国8府県473局とサービスエリアは日本テレコムの約半分ながら,8M対応とユーザー数では先行している。 2001年8月,ADSLの急激な値下げ競争の中,日本テレコムは「1社では業界のスピードについていけない」(村上春雄社長)として,バックボーンの相互利用や販売面の協力などを含むイー・アクセスとの戦略的提携を発表した(昨年8月の記事を参照)。同時に約40億円を出資してイー・アクセスの筆頭株主となっている。 しかし,日本テレコムの親会社である英Vodafone Airtouchは利益率の高い企業向けサービスへの転換を求めているといわれ,ウィリアム・モロー社長も「法人事業部門は,発展・成功の主要な原動力。法人向けデータ通信部門を拡大していく」としている。 一方,コンシューマー事業についてモロー氏は,「売り上げではなく,利益の伸びに焦点をあてる」と採算性重視の姿勢。既に今年度の設備投資を1146億円に圧縮(昨年は1527億円)すると発表している同社が,事業選別に向かっていることは明らかだ。「現在は,コスト構造の見直しを含む新しい経営計画を策定している段階」(同社)。 Vodafone傘下の日本テレコムは,自前回線によるADSL事業を続けるのか。同社の新しい経営計画「プロジェクトV」は,4月末〜5月にかけて公表される予定だ。
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