ニュース	2002年6月14日　09:40 PM 更新

秋は新たなDSL高速サービスの予感。アッカ10Mbps対応に続き秋にはC.x対応に

　アッカ・ネットワークは9月末まで全エリアにおいて10Mbps対応をする予定でいるが、その後秋には10MbpsオーバのサービスとしてC.xを投入する。

　アッカの計画はおおむね次のようなものになる。既報のとおり7月中旬より10MbpsのADSLサービスを23区内のサービスエリアから逐次開始する。そして、10Mbpsサービスに引き続き、10MbpsオーバのC.xサービスを秋口より投入する方針でいる。

　アッカは10Mbps対応サービスと、C.xサービスの2段階に分けて高速サービスへのアプローチを作るが、7月中旬より開始となる10Mbpsサービスはあくまでも現在の8Mbpsサービスに対して10Mbpsにも対応できるようにしたものでしかすぎない。アッカが10Mbps対応に向けて導入したS=1/2技術は、誤り訂正ビットの挿入数を減らすことにより、実データの転送サイズを増やしたものとなる。あくまでも近距離の回線品質のよい利用者に向けたものでしかすぎない。S=1/2サービスで速度向上の効果が見込める利用者は、8Mbpsのフルリンクアップをしている利用者、もしくは伝送損失24dB以下の利用者としており、アッカの試算では最低でも17%の利用者がこの恩恵を受けられるとしている。

　全員が速度向上効果を実感できるサービスではないうえに、サービス自体は局内DSLAMのファームウェアアップデートとユーザモデムのアップデートで完了するものであることから、アッカが7月から開始するサービスは既存の最大8Mbpsサービスを最大10Mbpsサービスにするだけのものとしてとらえるほうがいい。そんなところから、アッカも10Mbpsへの対応はスピーディーに実施する方針でおり、すでに各局のDSLAMアップデートスケジュールを組み込んでいる。スケジュールに狂いがなければ、秋までには全国のアッカ8Mbpsサービス利用者はなにもせずに10Mbpsサービスを利用できるようになりそうだ。また、ISPへの月額料金も8Mbpsのまま据え置きが原則となっている。

　10Mbpsサービスのあとに、アッカはC.xを導入した12Mbpsサービスの導入を予定しおり、本当の意味での新サービスはどうやらC.xとなりそうだ。C.xはC.x対応モデムと局側設備の対応により利用できるようになるため、既存の8(10)Mbpsサービスとはまったく異なった料金体系となる。既存8(10)MbpsサービスのユーザがC.xに切り替えることで、通信速度が500kbps程度高まり、最大通信速度が12Mbpsのサービスであるとしている。しかし、アッカは既存の8(10)Mbpsサービスを線路長4Km以内のユーザに向けたサービスであるが、C.xは中長距離に向けたサービスとして提供する意図を持っている。アッカはC.x導入により線路長7Kmの利用者にも対応できるものとしており、C.x導入によるホームパスは格段に広がる。事実上、アッカのADSLサービスのが利用者が格段に増えることになる。

　アッカ・ネットワークスは、今回の10Mbpsサポートに伴い、柔軟な形でサービス対応をはかることも表明している。事実、本日付けでアッカの利用している富士通モデムのUPnP対応ファームが公開されている。これまで新サービスの提供に非常に慎重であったアッカの姿からすれば、7月予定の10Mbps対応ファームと同時にUPnP対応ファームを公開するであろうと思われるが、今回は利用者の使い勝手を重視して、先にUPnP対応ファームウェアを公開した。また、アッカは今後PPPoAではなくモデムのブリッジ解放も検討しており、ISP側の準備が整えば、PPPoEサービスも提供する予定であることも表明している。

　イー・アクセスも夏より8Mbpsオーバサービスの提供を表明しており、秋口にはアッカ、イー・アクセス共に8Mbpsオーバのサービスがかなり広い地域で整う形になる。事実上秋からは新たな通信速度のが戦いが起きることをイー・アクセス、アッカ共に認めている。また、今回アッカの10Mbpsサービスのアナウンスがあったが、イー・アクセスは「8Mbpsオーバのサービスに関するスケジュールの前倒しなどはいまのところない」としている。また、「首都圏という限定した形ではなく、全国的に高速サービスをできる限り同時展開したい」という意図をイー・アクセスはもっており、本格的なサービス合戦は秋口に持ち越されたようだ。

[記事提供：RBBTODAY ]

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