ニュース 2002年9月3日 11:30 PM 更新

国内インターネットデータセンター市場を待ち構える厳しい淘汰

ガートナー データクエストが国内インターネットデータセンターに関する市場予測を明らかにした。数年前、建設ラッシュに沸いた同市場だが、ドットコムブームが去ると過酷な競争が待ち構えていた

 ガートナー ジャパンのデータクエスト部門は9月4日、国内のインターネットデータセンター(iDC)に関する市場予測を発表した。それによると、2001年に836億600万円だった日本のiDC市場はCAGR(年平均成長率)27.9%で成長し、2006年には2864億6200万円に達するという。ただ、アナリストらによれば、iDCのプレーヤーは順風満帆というわけではなく、厳しい淘汰に直面しているという。

 「キャリア系、専業系、SI系、コンピュータベンダー系といった多くのプレーヤーが、熾烈な競争が繰り広げている。1999年以降の建設ラッシュで過剰設備も生じていて、設備の統廃合やプレーヤーの淘汰や吸収が繰り返されている」と話すのは、データクエストアナリスト部門を統括する田崎堅志部門長。

 「過酷な競争を乗り越え、ようやく生き残ったiDC事業者も、付加価値サービスによるさらなる差別化を迫られている。激しい競争の中から、iDC間で施設を供与するバーチャルiDCとしての利用も増えるだろう」(田崎氏)

 同部門でITサービス産業を担当する浦田典子アナリストも、付加価値サービスを強化するための提携戦略は、需要と供給のミスマッチを改善するためにも重要だとしている。

 「付加価値サービスの充実以外にも、営業/販売力の強化、顧客サポート、サービス品質の保証、評価システムの整備といった側面からも提携戦略は有効な施策として検討する必要があるだろう」と、浦田氏はiDC事業者の課題を指摘する。

専有Webホスティングが有望

 「IT Service Japan Perspective“国内インターネットデータセンターの市場展望”」と題された今回のレポートによると、2001年のiDC市場は836億600万円だった。過度な期待から巨大な市場規模が見込まれていたが、2002年現在も期待通りの市場規模と成長率を達成する見込みは少なく、設備供給過剰の状況が続いているという。ガートナーでは2006年になれば、需要と供給の格差がようやく縮小される兆しが見られるとするが、それまでに多くのプレーヤーの淘汰が進むとみている。

 レポートではセグメント別の動向も予測しており、「コロケーション」や「共有Webホスティング」では特に厳しい競争が続くとしている。

 2001年、416億9400万円だったコロケーションの市場は、2006年に1706億2100万円が見込まれるものの、設備供給過剰から投資回収も困難な状況だ。低価格化が避けられず、基本サービスだけでは、収益が確保できず、iDC事業者は自社の強みを明確に打ち出す必要があるとしている。

 ISPやベンチャー企業が参入した共有Webホスティングのセグメントも厳しい見通しだ。サービスの無料化や低価格化が進んでおり、2001年の290億900万円は2006年になっても410億200万円に留まるとガートナーではみている。

 これに対して、最も成長率の高いセグメントが、専有Webホスティングだ。2001年の市場規模は、75億2100万円と最も小さいセグメントだが、コロケーションや共有Webホスティングユーザーの移行、大手企業を中心としたWeb資産のアウトソーシングニーズの高まりから、2006年には748億4000万円に達すると予測されている。

 ただ、専有Webホスティングは、付加価値性が高く、高収益を見込める反面、システムプロバイダーの高度なスキルとノウハウが求められ、参入障壁も高いという。

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▼ ガートナー ジャパン

[ITmedia]

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