ニュース 2002年9月3日 11:25 PM 更新

デジタル放送時代のCATVの現状と課題

放送のデジタル化が急速に進む中、CATVはどのように変っていくのだろうか。電子情報技術産業協会(JEITA)が開催した「デジタル家電フォーラム2002」の中で、デジタル放送時代のCATVの現状と将来像が語られた

 放送のデジタル化が急速に進む中、CATVも大きな変革の時期を迎えている。デジタル化によるサービスの高度化や多様化、そして放送と通信の融合をもたらすデジタル放送は、CATVにとっても新たな発展のチャンスだからだ。デジタル放送時代を迎えた今、CATVはどのように変っていくのだろうか。

 電子情報技術産業協会(JEITA)が9月3日に開催した「デジタル家電フォーラム2002」の中で、日本ケーブルラボ副所長の原田守夫氏が、デジタル放送時代のCATVの現状と将来像について語った。


デジタル放送時代のCATVの現状と課題について語る日本ケーブルラボ副所長の原田守夫氏

 CATVの加入契約数は、毎年着実に増加している。総務省の発表によると、2001年度(2002年3月末)のCATV加入世帯数は対前年比13.6%増の2125万世帯にまで拡大している。難視聴地域におけるアナログ地上波放送の再送信からスタートした日本のCATVは、地域密着の自主制作番組や多チャンネル化など、メディアの多様化時代に呼応したサービスを展開し、加入者を増やしてきた。だが、特に近年CATVが加入者を大きく伸ばしている理由の1つに、CATV網を利用したインターネット接続サービスがある。

 「3年ぐらい前から、CATVを利用した通信サービスやインターネット接続の流れが始まり、高速インターネット接続の市場は、2001年の初めごろまではCATVの独壇場だった。通信事業に本格的に取り組むべく、第1種通信事業者のみならず第2種通信事業者の免許を取得するCATV事業者も出ていた」(原田氏)。

 しかしADSLの普及で、昨年末にはインターネット接続サービスの累計加入者数でADSLがCATVを逆転。現在では、ADSLにかなり差をつけられた状況になっている。「こうなってくると、通信事業に傾注していたCATV事業者の目も変ってきている」(原田氏)。

 通信事業に強力なライバルが登場した現在、CATV事業者が次に期待するのが“放送のデジタル化”だ。CS放送で1996年にスタートした日本のデジタル放送は、2000年12月のBSデジタル放送、2002年3月の110度CSデジタル放送と、着実にサービスを拡大している。さらに首都圏を中心に2003年末からスタートする地上波デジタル放送によって、放送のデジタル化は一気に加速するとみられている。

 高画質/高音質化、データ放送、双方向サービスといったデジタル放送の魅力的なサービスが、デジタル伝送化によってCATVでも提供できる。CATVのデジタル化に対応するためCATV関連団体によって昨年6月に設立された日本ケーブルラボでは、CATVのデジタル放送対応を検討するWG(Working Group)を設置し、CATVでの“放送のデジタル化”を推進している。「地上波デジタル放送が開始する時には、CATV側の準備も万端になるように、デジタルCATVシステムの仕様策定などを進めている」(原田氏)。

 さらに原田氏は「CATVは放送と通信の融合が1番実現可能なメディア。つまりCATVこそがホームネットワークを推進していける。CATVのメリットを生かして、日本のデジタル化に貢献したい」と訴える。

 原田氏によると、デジタルCATVシステムの中核となるデジタルSTB(セットトップボックス)に、決済や認証の機能を付加したり、VoIPや無線LAN、PC、情報家電と接続できる機能を盛り込んだ「統合型ホームサーバ」として機能拡張する計画が提案されているという。将来的にはCATV側でこれらデジタルSTBのミドルウェアの提案や開発までも行っていくことが検討されるなど、ホームネットワーク推進に向けての積極的な活動が始まっているのだ。

 「ホームネットワークを視野に入れた情報家電が各メーカーから登場し始めているが、それらは部分的なもので統一されていない。それらを、どうやってつないでいくか、どのように社会の中に導入していくかが課題。それを担うのが、家庭と密着しているCATV。ホームネットワークのプラットフォームの中核はわれわれが担うんだという意気込みで、現在、システムの仕様策定などの検討が始まっている」(原田氏)。

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▼ 日本ケーブルラボ

[西坂真人, ITmedia]

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