ソニーの“繭”から出てくるもの「ゲートウェイ」「サーバ」を謳いつつ、今のところCoCoonはインターネット予約が可能な「高機能HDDレコーダー」の域を出ていない。だが、繭の中から出てくるものは、他にもありそうだ
ソニーは語る。同社の新ブランド「CoCoon」(コクーン)は「ホームAVゲートウェイ製品群の総称」であり、製品化第1弾の「CSV-E77」は「チャンネルサーバ」。今後、「ユビキタス“バリュー”ネットワーク」における重要なゲートウェイになるという。ソニーの“カタカナ好き”は理解できたが、内容はよく分からない。 1つ確かなことは、「ゲートウェイ」「サーバ」を謳いながら、今のところCoCoonは「高機能なHDDレコーダー」の域を出ていないことだ。PCと連携できるのは録画予約だけで、ホームネットワークのゲートウェイ機能や、TV以外のメディアを操る機能はない。PCユーザーとしては、何か物足りない印象も受けてしまう。 だが、繭の中から出てくるものは、他にもありそうだ。 CoCoonのオンラインサービスを担当するソニーネットワークターミナルソリューションカンパニーネットサービスビジネス部の長島利通統括部長は、「例えば、ストリーミング動画再生やデジタル放送への対応は“成長”の範疇にある」と話していた。これは、安藤国威社長がCoCoonを「成長するマシン」と表現したことを受けたもの。 もちろん、ストリーミング再生に対応したとしても、CSV-E77のMIPSチップ(350MHz)ではデコードできる動画が限られるうえ、ブロードバンドインフラも発展途上。これは、CSV-E77ではなく、将来の製品で対応を進めていくと受け取るのが正解だろう。 ソニーは、その将来の製品を発表会場の一角で展示していた。それぞれ「ミュージックエンハンスト」「ビデオエンハンスト」と呼ばれる2つの次期バージョン(あるいはバリエーション)だ。
ミュージックエンハンストと呼ばれる次期バージョンのCoCoon。DVD再生も可
ビデオエンハンスト版のCoCoon。いずれも発売時期や価格などは未定 機能の詳細は明らかにされていないが、少ないながらも情報をまとめてみよう。まず、ミュージックエンハンストは、HDDにくわえてマジックゲートメモリースティックスロットとDVDドライブを搭載。楽曲のダウンロードや再生、そしてDVDビデオの再生にも対応する。また、前面にUSBポートも備えた。 一方のビデオエンハンストは、書き換え対応のDVDドライブとHDDの組み合わせ。録画した番組をDVDメディアに残せるほか、DVDビデオ再生時のDTSサラウンド再生などもサポートするという。このほか、フロントパネル内にあるメモリースティックスロットを使い、JPEG画像をTVに映し出す機能も検討中。デジタルカメラで撮影した写真をリビングルームで見るなど、用途は広がりそうだ。 2つのプロトタイプにより、CoCoonの将来像を少しだけ想像することができた。もっとも、分かったのはAV寄りの部分ばかりで、PCやネットワーク連携については想像するしかない。 個人的には、CoCoonのオンラインサービス「カモン!マイキャスター」の有料メニューが「エコノミープラン」という点が気になる。エコノミーがあれば、「ビジネス」や「ファースト」もあるのが自然というもの。プレミア的なサービスを後付けするための“布石”とみることはできないだろうか? どうやら、繭の中には、まだまだ何かが潜んでいそうな気配だ。 関連記事 RealNetworksとソニー、ホームネットワーク分野に提携拡大 SonyがHDD録画装置でTiVoと提携 [芹澤隆徳, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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