ニュース 2002年9月10日 08:13 PM 更新

ブロードバンドで街頭ポスターを 〜松下社内ベンチャーの試み

駅や喫茶店に大型スクリーンを設置し、ブロードバンドを通じて映像を配信する。そんなビジネスに取り組むのは、松下電器の社内ベンチャー企業である、ピーディーシーだ

 街頭で大型スクリーンを目にしたことがある人は多いだろう。あのスクリーンにも、ブロードバンドの波が及んでいる。

 9月6日のEC研究会では、ピーディーシーの菅原淳之社長が「ブロードバンドを利用したデジタルポスター事業の実例」と題して、同社の取り組みを紹介した。


ピーディーシーの菅原社長。「会社設立前は、街頭の大型ビジョンを販売する仕事をしていた」

 ピーディーシーは、松下電器産業の社内ベンチャー制度により発足した企業。2001年4月から3年のあいだに、総額100億円のファンド資金を用意する「パナソニックスピンアップファンド」に基づき、2001年10月1日に資本金2億円で設立された(うち松下電器が99%を出資)。

 「パネルを販売したら、それで顧客との関係は終わり、という事業に疑問を持って応募した。第1期では、社内で145件の申請があった。その後提案者の面接などを通じて6件が選出され、実際に事業化されたのは3件だった」(同)。

 ピーディーシーのビジネスモデルは、駅構内や人気店舗など集客力のある場所に松下製ディスプレイ、およびSTBを納入し、そのビジョンに映像を配信するというもの。配信サーバは自前で持つが、ADSLなどのブロードバンド回線は、店側で用意してもらう。

 映像の内容は、広告、およびその場所に合わせたコンテンツで、たとえば駅なら列車の運行状況など。映像ファイルは中央区京橋にある同社のサーバで制作、エンコードした上で、MPEG-2、8MbpsのクオリティでFTPにより伝送する。これをいったん各地のSTBに貯めこみ、サーバ側の管理のもと、タイムテーブルに合わせて表示させるわけだ。

 菅原社長は、将来的には広告収益で事業を成り立たせていきたい考え。「機器を無料で設置させてもらい、広告営業で得た収入を店側と折半する。Yahoo! Cafe表参道店では、ナイキの広告なども入っている」(同)。

 もっとも、店舗にディスプレイ機器を“セールスプロモーションツール”として買い取ってもらい、その運営を受託するといった事業も行っている。機器の価格は、STBが28万円。ディスプレイは納入する製品にもよるが、「42インチで100万円前後から」(ピーディーシー)という。最近では、ディスプレイをイベントで貸し出すこともある。

 同社がこれまで納入したディスプレイは、約220台。 京王電鉄新宿駅に120インチのDLP(デジタルライトプロセシング)、営団新宿駅に7面PDP(プラズマディスプレイ)、三井住友銀行65店舗にPDPなどに納入実績がある。

ブロードバンドのメリット

 菅原社長は、こうしたディスプレイでの映像は、従来衛星経由で配信されるケースが多かったと話す。

 「衛星は、同じコンテンツを一斉配信するマルチキャストには向いているが、その場所ならではのものを配信するには、インターネットの方がいい。場合によっては、HTMLで自主コンテンツを制作することもできる」(同)。

 納入先の1つであるラオックスデジタル館では、ディスプレイにより店内の割引情報などを配信している。この場合も、ブロードバンドによるコンテンツ配信が効果的だという

 「よくある“20%オフ”などのチラシは、もともとデジタルデータとして制作されたもの。それをわざわざ紙の上に落として、チラシを刷って運送業者が運んでいる。デジタルデータとして扱った方が、効率がいい」(同)

 広告で収益を上げる店舗にしても、クライアントに好評とのこと。赤坂メディアカフェなどでは、順調に広告収入による黒字も出ているという。菅原社長は今後の目標として、“4年後にディスプレイを1万カ所に設置すること”を挙げた。

関連リンク
▼ EC研究会
▼ ピーディーシー

[杉浦正武, ITmedia]

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