ニュース 2002年9月18日 00:17 AM 更新

Googleの広告戦略は“ユーザー重視”

グーグルが、新たなキーワードターゲット型広告サービスを本格開始した。あくまでユーザーを重視した広告事業を展開するというが、その意味は?

 グーグルは9月18日、特定キーワードの検索結果に広告を表示する(キーワードターゲット型)サービス「アドワーズ広告」の本格開始を発表した。会場ではまた、“ユーザー重視”をうたう広告戦略も明らかにされた。

 同社はこれまでも、キーワードターゲット型のインプレッション広告サービス「プレミアム・スポンサーシップ広告」を提供していた。しかし今年7月から、新たにクリック課金広告サービスであるアドワーズ広告を提供開始。「8週間で数百件のクライアントを得た」(グーグル)ことを踏まえ、本格開始に踏み切った。


Googleの検索結果。最上部にあるのがプレミアム・スポンサーシップ広告、右側に並ぶのがアドワーズ広告だ

 アドワーズ広告の特徴の1つは、低予算から出稿が可能なこと。従来のプレミアム・スポンサーシップ広告では、1件ごとに最低45万円のコストが必要だった。一方アドワーズ広告では、初めに“クリック単価100円”などと設定した上で、その後はクリック成果に応じて支払い総額が決定される。ユーザーは初期費用の500円さえ払えば、あとは予算に応じて好きな期間、広告を掲載できる。

 7〜9月の結果で見ても「中小企業が利用するケースが多く、(支払額は)ほとんどがプレミアム・スポンサーシップ広告の半分以下」(グーグル)。オンライン上には同広告サービスのページも用意されており、出稿を望む事業者はセルフサービスで広告契約できるという。

Kordestani氏が語る「広告戦略」とは

 発表会場には、米Googleの上級副社長、Omid Kordestani氏も登場し、同社の広告戦略を語った。

 同氏はまず、Googleサイト上にランダムな確率で広告を出現させるようなサービスは提供しないと言い切る。そうした広告は、必ずしもユーザーの興味と一致せず、むしろ“特に望まないもの”である可能性が高いからだ。同様の理由で、ポップアップ広告サービスも提供しない(記事参照)。また、トップページにも一切広告は貼らないとした。

 Kordestani氏は、キーワードターゲット型広告こそが、唯一ユーザーニーズに応えるサービスだと説く。

 「キーワードを検索したユーザーは、そのワードについて情報を探しているユーザー。いわば、“クリックしにきた”ユーザーだ」(同)。このため、広告を表示した回数のうち、それがクリックされた回数の割合――いわゆる「クリック・スルー・レート」(CTR)が、ランダムに表示させる広告と比較して数倍になるという。

 ユーザー重視は、広告を表示するシステムにも現れている。アドワーズ広告では、1つの検索ワードにつき8つの広告枠(縦に8つ並ぶ)が存在するが、このうちCTRの高い広告が順次、上の方に移動する仕組みになっている。ユーザーが求めているものを、より優先表示するという発想だ。

 厳密には、「クライアントが設定したクリック単価」×「CTR」の値をスコアとして、それをもとに掲載順位を決定する(下表参照)。クリック単価とは、いうなれば広告商品にどれだけの値をつけるか、クライアントが判断してオークション的につけた価格。ところが、いくら高額なクリック単価を入札しても、CTRが低ければ広告順位が下がってしまうわけだ。

企業 クリック単価×CTR=スコア 掲載順位
A社 200円×2%=4 3
B社 150円×2%=3 4
C社 200円×3%=6 1
D社 150円×3%=4.5 2

 さらに、ニーズの低い広告はページから退場させるような仕組みすらある。CTRが0.5%を割るような不人気な広告は、自動的に掲載を下ろされるのだ。

 このため、グーグルでは広告を掲載してもらう際、キーワードをきちんと絞り込むことを推奨している。「たとえば“マンション”だけでなく“マンション”“賃貸”のand検索に対して出稿するとか、“マンション”“東京”のand検索に出稿するといった具合」(グーグル)。

 なお海外では、多くの企業があらかじめ100ほどの検索ワードに出稿し、そのうちCTRの高いものだけ残すという手法をとっている。これにより高い広告効果が得られるという。

 Kordestani氏は、それでこそROI(投資リターン)も高まるのだとする。「米市場では、各企業とも毎四半期ごとにROIをきちんと計算しているが、黒字という結果が出ている」と胸を張った。

 アドワーズ広告は9月から、Googleエンジンを利用する「BIGLOBE」、「Excite」といったポータルサイトの検索結果にも表示されるようになった。これにより、「国内インターネットユーザーの半数以上」(グーグル)にリーチできるという。

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▼ アドワーズ広告のページ

[杉浦正武, ITmedia]

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