リビング+:ニュース 2003/01/23 23:59:00 更新


ウワサの「Q-CAR」に乗ってきました

チョロキューモーターズが満を持して投入した小型電気自動車「Q-CAR」。その力強い走りは、伝統ある「チョロQ」のDNAを確かに受け継いでいる(ナレーションは古谷徹さんでお願いします)

 「21世紀を気持ちよく走れるように」。そんな願いが込めてタカラが企画した小型電気自動車がいよいよ発売された。今夜は、東京国際フォーラムで行われたタカラ新製品発表会の会場から、チョロキューモーターズの小型電動オープンカー「Q-CAR」試乗会の模様をお届けします。

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 BGMは「Theme of winner」

 丸みを帯びたキュートなボディをまとい、見た者すべてを微笑ませずにはおかない。昨年2月に設立されたばかりの新興自動車メーカー、チョロキューモーターズが世に送り出した「Q-CAR」は、簡素にして機能的な小型電気自動車だ。試乗車にチョイスしたのは、Q-CARの中でもスポーツカータイプに分類されるホットバージョン「Qi」(キューノ)。オプションに設定されているモモステとバケットシートも装備されていた。

 電気エネルギーを余すことなく路面に伝える後輪ホイールインモーターは、最高出力0.29kw×2を発生する。最高時速は50km/hと控えめながら、その走りの力強さは、伝統ある「チョロQ」のDNAを確かに感じさせるものだ。

 イグニッションを回したとき、振動を感じないことにとまどいをおぼえるのは無粋なガソリンカーに慣れた現代人の悲しさだろうか。しかし、アクセルを踏み込んだときのスッと流れるような加速感がすべての雑念を振り払ってくれる。

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 320キロという軽さによるものか。アクセルを踏み込むと、意外なほどの加速感がある。低速トルクの出方がいいんですかね、松任谷さん

 最大の特長である静粛性は、乗った者だけにわかる特権だ。タイトなコックピットに伝わってくるのは、路面をとらえるタイヤのわずかな擦過音だけ。4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションの採用と相まって、ガソリン自動車では決して味わえない、上質なドライビング空間を提供してくれる。

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 タイトなコーナーでもロールしない4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション(ロールするほどスピードは出ていませんが)。思わず欲しくなっちゃいますね。田辺さん

 メインバッテリーとして42Ahの密閉型鉛電池6個、そのほかにも補機用として28Ahの12ボルトバッテリーが1個搭載されている。1回の充電には約8時間かかるが、航続距離は30km/hの定地一定走行で80km程度と実用性は十分だ。

 このQ-CAR。実は第一種原動機付自転車という分類になるため、従量税、取得税、車検、車庫証明がすべて不要という特徴がある。ドライビングコストも1キロメートルあたり1円と、経済性を重視するマダムにも納得の仕様だ。シート後方には30×30×45cmのラゲッジスペースを備え、ちょっとした買い物には最適な選択となるだろう。

 あえて不満を挙げるとすれば、雨の日には雨合羽が必須となること、そして10円玉でウィリーしてくれないことぐらいだろうか。Qiの車両本体価格は129万円となっている。

疲れたのでIT誌に戻ります

 今回の新製品発表会では、Q-CAR関連のトピックが2つあった。その1つは、「カルソニックQ-CAR」の展示だ。1月22日より、シーケー販売(カルソニック)のWebサイトで予約を開始するが、1カ月のみ予約を受け付ける期間限定商品となっている。

 ベースはQiで、スペック上の違いはない。ただし、カルソニックが自ら塗装を担当するというボディは、完璧に“カルソニックブルー”を再現。また、GT選手権シリーズに参戦しているカルソニックスカイラインのイメージロゴステッカーをセットし、ドアミラーをボディ同色とするなど、コダワリの仕様となっている。価格は133万1000円だ。

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 写真でカルソニックスカイラインと比較してほしい。完全に同じ色だ

 もう1つのトピックは1月15日に発表されたばかりの「U」(ユー)。ミゼットを彷彿とさせるデザインだが、待望の屋根付きタイプだ。さらに、NTTドコモとの協業による「U mobile」、サーフボードを装着可能な「U surf」、ペットキャリーバックが標準装備された「U pet」、原動機付き自転車「tu」を載せるキャリアを備えた「U town」という5つのバリエーション(ベーシックモデルを含む)が用意される。価格は109万円より。

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 NTTドコモとのコラボレーションによって誕生した「U mobile」

 U mobileは、ダッシュボードの上にNTTドコモのPDAと携帯電話(展示車両にはFOMAが搭載されていた)を備え付け、「電気自動車用の簡易型カーナビゲーションシステムを提供する」(ドコモ)というもの。携帯電話の位置情報とゼンリンデータコムの提供する地図サービス「Zm@p on net」を使い、近隣の地図をFOMAでダウンロードしながら道案内する仕組みだ。

 そのうえ、電気自動車の貴重なバッテリーを消費しないよう、屋根の上にソーラーパネルを装着。走行用とは別のバッテリーに電気を蓄積し、車内に12Vの電源(シガーライター型)を供給するという。

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 屋根の上のソーラーパネル。こちらは太陽工房の技術を採用した
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 PDAとFOMAをダッシュボードに搭載

 「電気自動車の残電力表示と連携し、PDAの画面に表示させることもできる。また、現在の残電力で“どこまで走行できるか”を計算してくれる機能も備えた」(ドコモ)。

 これでもう、バッテリーの心配をしながら走行する必要はない。ただ、計算して「家に帰れない」ことが判明したら、ちょっと悲しくなってしまうかも……。

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 衝撃の瞬間。残り走行可能距離約0km(汗

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関連リンク
▼シーケー販売(カルソニック)
▼タカラ

[芹澤隆徳,ITmedia]



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