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2003/03/19 23:59:00 更新 |
特集:ゲーム屋の舞台裏
処理が軽く「落ちない」ゲームを 〜エターナルカオス (1/2)
ネットゲームのユーザーが一般に、最も不満を抱くのは事業者のサーバが“落ちる”ことだろう。ゲームサーバの管理はサービス運営上、非常に気をつかうものの1つだ
ネットゲーム事業を運営する上で、非常に重要なのがゲームサーバの管理だ。多くの事業者は会員数に合わせて複数台のサーバを用意し、これをデータセンターなどに設置している。最近では、サーバマシンの購入費用も下がりつつあり、事業者がサービスを提供する上で追い風になっているようだ。
今回訪ねたのは、MMORPG「エターナルカオス」を運営する、ガマニアデジタルエンターテインメント。エターナルカオスは韓国で350万アカウントの登録を誇り、国内で現在約5万人の有料会員を抱えている。同社のプロジェクト推進室室長代理、浅井清氏に話を聞いた。
ガマニアデジタルエンターテインメントの浅井氏
浅井氏は同ゲームの特徴として、シンプルなゲーム構成で、マウスだけでも十分操作できる点を挙げる。また独自の課金システム「GASH」を構築しており、55ポイント(=55円)で12時間プレイできるコースを用意するなど、多様なコース設定を行っている点も注目だ。
サーバに関しては、3Dグラフィックを採用していながら、「処理が軽く、落ちにくい」点を強調した。
「サーバが落ちる」理由とは
ネットゲームのユーザーが一般に、最も不満を抱くのは事業者のサーバが“落ちる”ことだろう。こうした事態を引き起こすのは、サービス運営側として論外。しかし事業者によっては、全く見られない現象ともいえないようだ。
なぜ、サーバに接続できなくなるのだろうか。たとえば映像配信サービスなら「アクセスが殺到して、ネットワークの帯域が不足した」といった例が考えられる。
しかしネットゲームに関していえば、回線の帯域が不足するケースは稀のようだ。浅井氏は、ユーザーがプレイ中に使用する帯域を「数十Kbps以内」と話す。
これは、キャラクターの位置移動情報や、コマンドの入力情報など、限られたデータしかやり取りしていないためだ。「たとえば、キャラクターじっとして何もしなければ、データのやり取りもない」(同)。全キャラクターの通信データを合わせても、それほどの負担にはならないようだ。これは、ほかの事業者に聞いても同様だった。
大規模なアップデートがあって、ユーザーにパッチファイルをダウンロードしてもらうようなケースでは、回線に負荷がかかることもある。ブロードバンドインフラが効いてくるのは、このような場合だ。とはいえ、これもさほど問題にはならない様子だ。
むしろ問題になってくるのは、マシンのデータ処理能力だという。
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[杉浦正武,ITmedia]