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2003/05/09 21:13:00 更新 |
首都圏の電力不足は6月末にも到来?常時接続は電気を食う
東京電力の点検記録の改ざんにより、現在、首都圏に電力を供給している原子力発電所は、ほとんど停止している状態だ。これにより、夏期における電力不足が叫ばれているが、かなり早い時期に到来する可能性がある。
経済産業省は、「平成15年夏期に向けた電力需給対策について」と題する報告書を公開した。これによると、東京電力における火力や水力発電所をフル稼働させると約5,500万kWの電力を供給できるという。さらに、他の電力会社や自家発電所からの購入などあらゆる手段を尽くした場合には、追加で約400万kWの供給を受けられるとのこと。またこれに、先日稼働を始めた柏崎刈羽原発6号機の100万kWを足すと、7月から8月において約6,000万kWの電力が確保できるという。
しかし、これまでの最大需要は2001年7月24日(当日の東京における最高気温は38.1度)に記録された6,430万kWであるため、このままだと約500万kW程度の電力が足りなくなるおそれがあるという。さらに、2001年7月5日には最大6,010万kWの需要があったため、早ければ6月から7月にかけて電力不足が発生するおそれがあると、同報告書では警告している。
ちなみに、イー・アクセスでレンタルをしているADSLモデム「AtermDR202C」の消費電力は約13Wとなる。国内におけるDSL契約数が700万と考えると、宅内側のADSLモデムだけで最大約9.1万kWを消費することになる。この数字はあくまでも最大のためまずあり得ないが、常時接続によりPC、ハブ、無線LANのアクセスポイントの電源を常時オンにしてるユーザは多いはずだ。これを考えると、国内の常時接続では少なくとも10万kWは消費しているだろう。この数字を原発1基あたりの発電能力(約100万kW)と比較すると10%に達する。
先に挙げた数字は国内全体における試算のため首都圏での電力問題とは必ずしも一致しないものの、常時接続はユーザが増えたこともあり思ったよりも電力を消費しているようだ。
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東京電力
[記事提供:RBBTODAY]