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2003/05/22 21:43:00 更新 |
着々と開発を進めるオンデマンド放送技術〜NHKが研究所を一般公開
日本放送協会(NHK)は、22日より世田谷にある放送技術研究所の一般公開を行っている。目玉となるのは、12月から3大都市圏で開始する地上デジタル放送だが、放送と通信が融合したサービスや機器も多く展示されていた。
日本放送協会(NHK)は、22日より世田谷にある放送技術研究所の一般公開を行っている。目玉となるのは、12月から3大都市圏で開始する地上デジタル放送だが、放送と通信が融合したサービスや機器も多く展示されていた。
番組のリクエストサービスは、オンデマンドで放送のバックナンバーを視聴できるというもの。センター側にNHKのテレビ放送5波分の映像を1週間分蓄積し、各ユーザからのリクエストに応じて配信をする技術だ。デモでは、研究所のデータセンタに蓄積された番組が視聴できたが、蓄積する技術や検索などはある程度の完成度になっているようだ。
しかし、これを実際にサービスとして提供するには、いくつかのクリアしなければならない壁がある。
そのひとつが帯域。ハイビジョン映像の場合は20Mbps〜30Mbps程度の帯域が常に必要となるため、現在提供されているFTTHサービスでは少々無理があるという。また、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の実装もまだだ。
だが、一番の問題は放送法だ。現手時点では、放送法によりNHKが持つコンテンツは、その利用方法が厳しく制限されている。つまり、インターネットを通じた配信サービスはできないのだ。したがって、この技術も実用化される目処は経っていない。しかし、担当者は「制度が改正されてから技術開発をするのでは遅い」と実用化される日を待ちわびているようだ。
なお、一般公開は25日まで開催されている。入場は無料なので土日を利用して足を運んではいかがだろうか。
研究所で開発が進んでいる番組のリクエストサービス。右側には、BSデジタルチューナとPCを接続した受信装置が設置されている
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日本放送協会(NHK)
[記事提供:RBBTODAY]