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2003/06/12 17:55:00 更新 |
「ISDNインタフェースは残す」 〜ヤマハの新ルータ、RT57i
VoIP対応ルータ「Net Volante」シリーズから、最大100Mbpsの高スループットモデルが登場した。音質の向上、インタフェースの改善などが行われているが、ISDN対応を続けるところにも注目だ。
ヤマハは7月下旬から、ブロドバンドルータ「Net Volante」シリーズの新機種「RT57i」を販売する。オープン価格だが、実売価格は3万円台後半になる見込み。「RTA55i」の後継と位置付けられる、個人からSOHOまでを対象としたハイエンドルータという。
最大100Mbpsのスループットを実現しており、PPPoE、NAT、ファイアウォールを併用する環境でも50Mbpsの実効速度を実現する。前機種同様、PPTPによるVPNに対応しており、中小企業などの拠点間接続にも利用できる。
Net Volanteシリーズの特徴であるVoIP機能(記事参照)では、さらなる音質の向上を図っている。具体的には、エコーキャンセラ、VoIPパケットの優先制御、PLC(パケット・ロス・コントロール)などの機能を備えるほか、ジッター(デジタル信号のゆらぎ)変動を自動で吸収する「ジッターバッファ自動調節機能」も搭載する。
「今までも問題なかったが、さらに音質を向上させた。そもそものスループットを改善したことで、音声パケットを扱いやすいという側面もある」(ヤマハ)。なお、VoIP対応機器をRT57iに複数台つないで、同時通話を行うことも可能だ。
下部のケースを外したところ(上)。複数ケーブルを1本の穴に収束することで、ケーブル配線をすっきり見せられる
セキュリティ面では、ファイアウォール機能を搭載しており、7段階のレベルを選んで設定できる。Web上から設定を行え、ブロードバンド回線自動選択機能、簡単バージョンアップ機能、パスワード忘れ対策機能などにより、利便性も向上したという。
ISDNインタフェースは「まだ必要」
RT57iで目に付くのは、ISDNインタフェースを残したところ。ISDNといえば、先日も減少傾向にあることが発表され(記事参照)、ADSLの回線数といつ逆転するのか取りざたされている通信方式だが、ヤマハはISDNに非対応とするつもりはないようだ。
「昨年度のデータを見ると、確かに一般家庭では減少傾向だが、事務所などビジネスユースでは横ばいか、むしろ増加している。なだらかに減少しつつ、ビジネスユースで残るだろう」(ヤマハ)。
実際に、同社のユーザーアンケートハガキでも、評価する機能として「ISDN対応」が46%で1位だった。ハイエンドユーザー、およびSOHOなどでの利用を見込むRT57iでは、ISDN対応のニーズは高いと判断したようだ。
「(前機種の)RTA55iでは、ISDN&ブロードバンドの複合機として高い評価を得た。課題だったスループットも改善して、必要とされる機能を1台にパッケージした、オール・イン・ワンのルータとなった」(同社)。
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ニュースリリース
[杉浦正武,ITmedia]