リビング+:ニュース 2003/06/12 20:40:00 更新


家や車を守る“お手軽”“お手頃”サービスに注目

以前は一部のお金持ちだけをターゲットとしていたホームセキュリティやロードサービスにも、個人が手を出せる“お手頃”なサービスが続々と登場する。低価格化の鍵は、普及した携帯電話網の利用。そしてワイヤレス化は、サービスの導入も容易にする

 かつては高価だった製品が、技術の進歩とともに低廉化して、一般の人々でも手が届くようになる。身近なところでは携帯電話がその1つだが、同様の傾向はサービスにも及んでいるようだ。以前は一部の裕福なユーザーだけをターゲットとしていたホームセキュリティやロードサービスにも、個人が手を出せる“お手頃”なサービスが続々と登場している。

 例えば、ジャパンベストレスキューシステム(JBR)が8月に正式に開始するホームセキュリティシステム「Simple Security」、翼システムが年内に提供する予定のロードサービス。いずれもテレマティックスの応用をキーとして、個人ユーザーにも無理なく導入できる「お手軽な導入」と「お手頃な料金設定」を実現しそうだ。

導入1秒、月額2480円のホームセキュリティ

 Simple Securityは、一人暮らしの女性や小規模店舗にフォーカスしたホームセキュリティシステムだ。4万5000円(直販価格、代理店経由はオープンプライス)の初期導入費用は必要だが、月額料金は個人向けサービスなら2480円とかなりお手頃。

 さらに、システムをオールワイヤレス化し、外部との通信手段にもNTTドコモのDoPa網を利用するため、一切工事の必要がない。導入は、「BaseStation」と呼ばれるボックスをコンセントに差し込むだけ。「1秒で済む」(同社)という。

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 「BaseStation」

 BaseStationには、室内の異常を捉える光センサーと熱センサーが内蔵されており、住人不在時にセンサーが反応すると、警告音と同時にあらかじめ設定したメールアドレスや電話に通知する仕組み。メールや電話は5件まで登録できる。

 仮に外出先で通知メールを受け取ってしまったら。一人暮らしの場合など、家に帰るのが怖くなってしまうが、そんなときは「エスコートサービス」を利用できる。エスコートサービスは、帰宅時に警備員と待ち合わせ、自宅まで随行してもらうサービスだ。

 また、在宅時に異常が発生した場合は、BaseStation前面中央にある「ホットライン」ボタンを押すだけでセンターに通報できる。必要なら、警備員の派遣(いわゆる駆けつけサービス)を依頼することも可能だ。エスコートサービスと駆けつけサービスは利用時に別途料金が発生するが「駆けつけサービスで6000円から8000円、エスコートサービスはその半額程度を予定している」(同社)という。

 このほか、オプションで「Sub Station」や「GlassAlarm」も用意されている。Sub Stationは、BaseStationから通信機能を省いたもので、家が広い場合にカバー範囲を広げることができる。一方のGlassAlarmは四角い板状のもので、窓ガラスに張ると振動を検知してBaseStationに通知する。どちらも微弱電波を使ってBaseStationと連携するため、やはり設置は「置くだけ」「貼るだけ」の簡単さ。価格はSub Stationが6000円、GlassAlarmが1枚4000円となっている。

 JBRでは、SimpleSecurityを8月1日より提供する予定。現在は販売代理店を募集中だ。

コネクタ1つで設置完了

 一方、翼システムの自動車事業部が開発しているのは、自動車の緊急通報装置だ。こちらも本体を車内に固定し、コネクタでECU(Electronic Control Unit:自動車の電子制御ユニット)と接続するだけ、という手軽さが魅力。このコネクタは「OBD II」と呼ばれる汎用のインタフェース規格で、1996年以降の国産車であれば標準的に搭載しているという。

 ユニット本体には、GPSとNTTドコモの携帯電話を内蔵した。センター側で車の位置情報のほか、ECUが保持している各種のステータスを取得できるため、盗難時の対応以外にもさまざまな応用が可能だ。

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 GPSユニットやアンテナを内蔵した車載機。製造はVetronicsが担当する(インターネットITS協議会の成果発表会で撮影)

 例えば、車両が故障してロードサービスを依頼する場合、エンジンの回転数やバッテリー電圧などから車の状況を事前に把握し、迅速に対応できるという。とくに同社の場合は、「カーコンビニ倶楽部」で知られる自動車修理や部品調達のネットワークを持っている。「単なるロードサービスではなく、修理などアフターケアを含んだ総合自動車サービスが提供できるだろう」。

 また、電子ロックの情報もECUが持つ情報の1つだ。つまり、オートロックの車でリモコンやキーをなくしてしまった場合でも、センターに連絡してロックを解除してもらうことが可能。同様に、ライトのオン・オフにも対応できるため、「例えば、広い駐車場で車の場所が分からなくなったとき、ライトを点灯させて位置を確認する」といった用途も考えられるという。

 同社によると、昨年12月に実際の車両を使った実証実験を亀戸地区で行い、技術的な問題はほぼクリアしたという。気になるのは価格だが、「料金は未定だが、端末の価格は4万円以内、月額のサービス料金も数千円のレベルに抑える方針だ。できれば年内にサービスを開始したい」(翼システム)と話している。

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 実験車両。なお、実証実験ではFOMAを通信手段に利用していたが、サービスエリアの関係もあり、本サービスではDoPaを採用する可能性も高いという

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関連リンク
▼ジャパンベストレスキューシステム
▼Simple Security
▼翼システム

[芹澤隆徳,ITmedia]



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