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2003/06/16 23:41:00 更新

メルコ、IEEE 802.11gをさらに高速化する新ファームウェア

メルコは、IEEE 802.11g対応製品「G54シリーズ」の新しいファームウェアを6月より順次リリースする。独自の高速化技術「フレームバースト」や、無線LANセキュリティの新標準「WPA」などをサポート

　メルコは6月16日、IEEE 802.11g対応製品「G54シリーズ」を高速化する「フレームバースト」と、セキュリティ強化のための新ファームウェアを順次リリースすると発表した。無線LANセキュリティの新標準「WPA」（Wi-Fi Protected Access）や、米国政府の標準暗号化方式に選定された「AES」（Advanced Encryption Standard）にも対応する。

　フレームバーストは、無線LANチップベンダーのBroadcomが開発した高速化技術。通常、無線LANでは、パケットを1つ送信するごとに“バックオフタイム”と呼ばれる待ち時間が発生するが、「これを一部カットして、まとめて4〜5つのパケットを一度に送信する」（メルコ、ブロードソリューションズ事業部マーケティンググループリーダーの石丸正弥氏）ことでスループットを向上させる。

　例えば、「WHR-G54」の実効スループットは通常23Mbps程度だが、フレームバーストを利用すると28.2Mbpsにアップするという。従来比21％の高速化だ。

　フレームバーストを利用するには、アクセスポイントと無線LANクライアントの双方がこの機能に対応している必要があり、ドライバは6月より随時提供される予定だ。なお、この機能を使って通信している間も、ほかのIEEE 802.11b/11g製品が混在することはできるが、石丸氏によると「フレームバーストの通信が優先されるため、混在する非対応製品は若干スループットが落ちる」という。

機能	フレームバースト（IEEE 802.11g高速化）
対応製品	WLM2-A54G54、WLM2-G54、WLA-G54、WBR-G54、WHR-G54、WLI-CB-AG54、WLI-CB-G54、WLI-PCI-G54
提供時期	6月以降順次（ダウンロードURL）

WPA/AESもサポート

　またメルコは、「WPA」（Wi-Fi Protected Access）に対応するファームウェアの提供も発表した。WPAは、無線LANセキュリティを強化する新標準。Windows XPやインテルのノートPC向けチップ「Centrino」も標準的にサポートする予定だ。

　従来のWEPは、無線LANに接続するすべてのユーザーが1つの暗号鍵を使用するが、WPAの「TKIP」（Temporal Key Integrity Protocol）では、各ユーザーに別々の暗号鍵を割り当てることでセキュリティを向上させる。「TKIPはソフトウェア処理のため、IEEE 802.11bなど過去の製品でもサポートできるのがメリット。ただし、CPUの負担が増えるため、スループットは15％程度落ちるだろう」（同氏）。

機能	WPA（TKIP/IEEE 802.1xサポート）
対応製品	WLM2-A54G54、WLM2-G54、WLA-G54、WBR-G54、WHR-G54、WBR-B11、WLI-CB-AG54、WLI-CB-G54、WLI-PCI-G54、WLI-PCM-L11GP、WLI-PCM-L11G、WLI2-CF-S11、WLI-USB-L11G、WLI-USB-S11、WLI-USB-KS11G
提供時期	6月以降順次（ダウンロードURL）

　さらにメルコは、米国政府の標準暗号化方式にも選定されている「AES」（Advanced Encryption Standard）をサポートする予定だ。石丸氏は「G54シリーズと11b製品の“WLI-PCM-L11GP”だけはAESのハードウェア処理に対応している。機種は限られるが、スループットが低下することはない」（同氏）としている。

機能	AES対応
対応製品	WLM2-A54G54、WLM2-G54、WLA-G54、WBR-G54、WHR-G54、WLI-CB-AG54、WLI-CB-G54、WLI-PCI-G54、WLI-PCM-L11GP
提供時期	6月以降順次（ダウンロードURL）

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802.11g無線LAN、速度はファーム更新で改善中〜メルコ

関連リンク
フレームバースト機能のニュースリリース（メルコ）
WPA、AES対応のニュースリリース（メルコ）

[芹澤隆徳，ITmedia]

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