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2003/07/03 22:26:00 更新 |
ソフトバンクBB、オンラインゲームポータル「BB Games」開設
ソフトバンクグループがオンラインゲームに本腰。サーバや課金システムをゲームメーカーに提供してロイヤリティーを徴収する“iモード型”コンテンツビジネスだ。
ソフトバンクBBは7月3日、オンラインゲームポータルサイト「BB Games」を7月25日にオープンすると発表した。日韓のゲームメーカー110社と200タイトルの提供で合意し、課金システムやネットワーク設備などはソフトバンクグループが提供。ADSLシェアトップの「Yahoo!BB」ユーザーをベースとした国内最大級のオンラインゲームサイトとして他社を突き放しにかかる。
同サイトはソフトバンクグループのビー・ビー・サーブ(孫泰蔵社長)が開発・運営する。「シングルサインオン」機能を用意し、1つのIDで複数タイトルへのログインや課金決済を一元的に行えるメリットがある。また専用のゲームプログラムランチャーも提供し、クライアントプログラムのダウンロードや起動がスムーズにできるようにした。
会員登録は「Yahoo!BB」会員、非会員を問わず無料で行えるが、ゲームを楽しむにはタイトルに応じた料金を支払う必要がある。決済方法はクレジットカードやウェブマネーなどを予定している。
オープン時には30タイトル程度を公開する予定。詳細は明らかにしていないが、「ラグナロクオンライン」を運営するガンホー・オンライン・エンターテイメントと、「リネージュ」のエヌシーソフトが参加を決めている。日本のオンラインゲーム30社50タイトル、韓国の80社150タイトルを展開することで合意しており、本年度内に100タイトル以上、来年度末までに300タイトル以上を公開する予定としている。
オープン当日の7月25日、日韓のオンラインゲームを集めたイベント「Online Game Fantasista」を東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催する。入場無料で50タイトル以上のゲームを先行体験することができるブースを設ける。イベント参加にはWebサイトから事前登録が必要。
“iモード型ビジネスモデル”
BB Gamesは、ソフトバンクグループがゲームメーカーに提供するオンラインゲーム配信プラットフォームだ。配信サーバや課金決済システムなどをゲームメーカーが自前で用意するには多額の投資が必要となる。この部分をソフトバンクが受け持ち、ゲームメーカーは開発に専念できる。
オンラインゲームに必須のベータテストも、BB Gamesと連動したベータテストポータル「G-CIA」で行うことができ、例えば「Yahoo!BB会員限定の先行ベータテスト」などと銘打つことでプロモーションを兼ねることもできる一石二鳥の作戦だ。ゲームメーカーにインフラと手厚い支援を提供し、ソフトバンクは売り上げに応じて料金を徴収する“iモード型”ビジネスモデルを描く。
「Yahoo!BB」の会員数300万人突破も間近に迫った今、ソフトバンクBBの孫正義社長が重視するのはコンテンツだ。高速常時接続という“畑”の開拓は軌道にのった。ここに「BBケーブルTV」やBB Gamesといったコンテンツビジネスの“種”をまき、実りの季節をうかがう段階になってきた。
ただ不安もある。ブロードバンドのキラーコンテンツとしてオンラインゲームには数年前から大きな期待がかけられてきた。しかしふたを開けてみれば多額の設備投資に見合う収益が上げられないケースが多く、コンソールメーカーやゲームメーカーの一時の熱は冷めている。「日本人の気質にはオンラインゲームは合わない」という悲観論まで聞かれるのが現状だ。
しかし孫社長は「これからのゲームはすべてオンラインゲームに移行するだろう」と強気の姿勢だ。約26万5000人と日本最大級の有料会員を抱えるラグナロクオンライン。会員1人当たりの1日の平均接続時間は5時間を超え、既に1カ月当たり7000−8000万円の経常利益が出ているという。
オンラインゲームをめぐっては、NTT東西地域会社も韓国政府の関連団体・韓国ゲーム産業開発院と組んで8月からトライアル配信を始める。ただしこちらはフレッツ網上に限定したクローズドなサービスだ。「NTTは物理レイヤーはともかく、コンテンツで大きな結果を残したことがあっただろうか。キャプテンしかり、Lモードしかり」と孫社長は余裕の表情だ。
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フレッツで韓国オンラインゲームを配信 NTT東西と韓国ゲーム産業開発院
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ニュースリリース
BB Games「Online Game Fantasista」事前申し込みページ
ソフトバンクBB
[小林伸也,ITmedia]